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★初投稿★CV-22 OSPREYと米軍<1>

皆さん初めまして。アースケアのインターン生、イスンヒョクです。今日から自分の経験を不定期投稿していこうと思います。初投稿の主題は兵役時代に米軍との間で起きたエピソードです。V-22、最近の事故で一般にも有名になった航空機ですが、私は兵役時代にこの機体との合同作戦に携わったことがあります。その合同訓練の経験は私の人間関係と仕事を対する姿勢に相当な影響を及ぼしたため、皆さんとも共有したいと考えました。それでは読むうちに自然と涙が流れる、約1か月間続いた「無限残業」の合同訓練の話をぜひ最後まで読んでください。


??? Hello This is RKTY Base operation team.

時は2021年9月、大韓民国空軍第16戦闘飛行団の基地運航室に配属されて約8か月が経った時でした。私は基地の飛行全般を管理していたため、他の基地と電話でやり取りすることが多かったです。電話応対のマニュアルは配属直後から覚えさせられ、9月にはもう電話でのやりとりはマスターしたと考えていました。電話を受け、飛行情報を入力するだけの、簡単な仕事だと思っていました。

あの日もいつもと同じ電話の受信音がなりました。電話に出た私は
「こんにちは、16飛行団運航室一等兵イスンヒョクです。」
すると、
"Hello, is there RKTY Base operation? This is Captain 000 of Us Airforce."
米軍対応マニュアルも熟知していた私は慌てず
"Yes sir, this is private Lee of RKTY  Base operation. What can I help you. "
000大尉は来週から私の基地に寄航したいと言ってきたので、私はマニュアル通り相手の基地名と機体情報を尋ねました。
"WE will depart  RJTY(日本), heading RKSS(ソウル) and ……."
あれあれ????RJ??????

世界の全空港には識別記号があります。記号の頭のRがアジアで、RJだと日本、RKだと韓国のようになっています。私は彼が日本に電話するのを間違えて韓国の基地に電話をかけたと考え、彼にここは韓国だと、RJTYは日本の横田基地だと言いました。
すると彼は "I mean, RJTY to RKTY(私の基地) and then RKSS"
WHAT?!?!

私の思考回路は過熱で停止しました。マニュアルに外国からの入港はなかったし、しかも先輩たちもみんな休暇で部署内には私と後輩一人だけの状況でした。何とか対応しなければならない状況。一旦情報を受け取って、隊長が復帰したら報告しようと思いました。
ETA, ETD, CALL SIGNなどなど、初めての合同訓練業務だったので緊張して一つ一つ聞き逃さないように集中して聞きました。(笑)

ところで、なぜか米軍の大尉は寄航情報を何十件も言ってくる のでした。普段は多くて3つぐらいでしたが、今回はなんと3週間にかけて50件以上。入力するだけで指が疲れるぐらいでした。実際の業務を想像すると意識が遠くなりそうでしたが、なんとか最後まで黙々と相手の情報を聞き、入力した私。
情報交換が終わって電話を切った後、私は後輩にこう言いました。
「今月、毎日残業確定DA★ZE☆」

アベンジャーズの機体はガソリンの使用量もアベンジャーズ

私はそれまでに多様な航空機を駐機したり管制していました。例えば攻撃ヘリで有名なAH-64アパッチや、パレスチナに派遣された輸送機のC-130など多様な機種を直接見ました。しかし、CV-22は初めて聞く機種でした。気になって調べたら、なんとアベンジャーズに出て来そうなプロペラが左右についていてエンジンもある機種でした。超興奮した私と後輩は、
「これが50機も????すっげぇぇっ」
翌週からの残業はまだ訪れていない災難だったのです。(笑)

一旦報告してどうすればいいか聞くために、午後に復帰した隊長に米軍との電話内容を報告しました。
隊長の反応は「あ????」
隊長もこの基地で駐日米軍との訓練経験はなかったそうです。急いで過去の記録を探して準備を始めた隊長。彼には真っ暗な残業の未来が見えたのか、顔色がだんだん暗くなっていっていました。順調に検討していた隊長が私に聞きました。
「イ君、この給油量って俺らの基地にこんな量あったっけ?」
外来機の給油要請を給油班に伝えるのも私の仕事の一つでしたが、それまでは足りなかったことがなかったために、私は当然あるだろうと考えました。

 給油班に聞いてみますと言って、早速電話をかけました。
「もしもし、運航室ですけど、航空燃料油000gal給油できますよね?」
「少々待ちください。幹部に確認して折り返し電話しますね」
5分後電話がなりました。
「あのさ、桁間違えてるんじゃない?」給油班の幹部からの電話でした。
いいえ、確かに000galですと私が言った後、給油班の幹部の長いため息が電話からも200%伝わりました。
「一旦分かった。また連絡する」
私は感じました。
さすがアベンジャーズ、ガソリンの使用量もアベンジャーズか

<1>end
To be continued

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