『キンキーブーツ』再々演のニュースに想像以上に衝撃を受けてしまった理由を分析してみる~私の場合
11/4(木)夕方、父の介護のために東北の片田舎の実家に帰省していた私のスマホに届いたLINEメッセージ。同じ職場のLINEグループの一人からだった。
「キターッ(≧▽≦)!」という歓喜のメッセージと共に、『キンキーブーツ』2022年、3度目の上演決定のニュース。その方は大の『キンキーブーツ』ファンで、春馬くんの2019年の『キンキーブーツ』も見に行っているし、先日の松竹ブロードウェイ『キンキーブーツ』の映画も三度見に行ったほどの方。『キンキーブーツ』演目そのもののファン。
更に、そのグループの中には、新ローラとしてキャスティングが決まった城田優くんの大ファンもいるので、「嬉しすぎる~!」としばしLINEグループは大賑わい。
私は、といえば、こんなにも春馬くんにはまっていることは明かしていないので、「私も見たいです」という当たり障りのない反応しかできなかった。
正直言って、この公式TWITTERを見た時、私は不覚にも胸にグサっと来てしまったのだ。
そして、その痛みは胸の中でじわじわと広がっていき・・・このつぶやきは、かっこつけも見栄もすべて捨てたその時の本音。
今年の3月、松竹ブロードウェイシネマ『キンキーブーツ』を見に行った後に書いた記事。そのとき、確かに再々演して欲しいと思ったのは本当の事。
この中で、私はこんなことを書いている。
”みんなと同じより 自分の個性で生きてみる”
『キンキーブーツ』のキャッチフレーズ。同調圧力で押しつぶされそうな今の日本に一番必要な言葉じゃない?
そしてこんな風にも書いている私。
春馬くんが、全身全霊をかけて表現した『キンキーブーツ』というもの、ローラという人物を、敬愛と愛情をもって、それこそ ”継承” していってくださることを切に願う。
それなのに、何故・・・再々演のニュースに、こんなにも衝撃を受けてしまったのか。
Twitterやいろんな所で、私のように動揺している方が多くいらっしゃるのを見た。その理由はひとそれぞれだとは思う。
私は、私個人の衝撃の理由を、私なりに分析して記録として残しておこうと思う。
予感は無かったわけではない
この6月に、『キンキーブーツ』振付師のラスティさんがInstagramにこんなポストをしていた。
日本のみんな!どれだけキンキーブーツが好き!?見せて!!(hoof和訳)
~moweryrusty Instagram 2021.6.9
これを見て、もしかして再々演の動きがあるのでは!?と頭をよぎった。
それとももしかして!奇跡の円盤化!?と、また自分の都合のいいように考えてみたり。
土浦セントラルシネマズでお友達になった方と、再々演だとしたら誰がローラだろう?あの人?いや、この人?とひとしきり予想したりもした。その中に、城田優君の名前も挙がっていた。そのほか、実力派のあの方や、もしかして春馬くんの後輩の最近めきめきと実力を付けてきたあの子とか?
冷静に考えてみよう。
ミュージカル『キンキーブーツ』は、 シンディー・ローパー作詞作曲の珠玉の名曲に彩られたトニー賞 ミュージカル作品賞、トニー賞 オリジナル楽曲賞も受賞した世界的大ヒットミュージカルである。日本においても2016年、そして再演の2019年とも全席完売の大ヒット。
去年、このミュージカルのシンボルともいうべきローラ役春馬くんの突然の悲劇に見舞われてしまったが、これほどのミュージカルが、今後一切、日本において封印・お蔵入りなんてことあり得ないだろう、と思っていた。
このミュージカルが訴える重要なテーマ、素晴らしい楽曲、そして魅力的なキャラクターどれをとっても、まさに日本に必要なミュージカルであることは明確。
いずれ、再演されることは必至だろう。いや、再演されるべきミュージカルだ、とそう思ったものだ。
そして、『キンキーブーツ』はみんなのものなのだ、とも思ったのだ。春馬くんや春馬くんファンだけのものではなく、その他のキャスト、スタッフ、はたまた個々のキャストのファンの方々、演目そのもののファンの方々・・・。
だから、いつの日かの『キンキーブーツ』の再々演を望んでいたし、当然受け入れ、絶対に見に行こう、と、前述の記事を書いた段階で思ったのだ。この段階では、私は完全に理性で考えることができていた。
じゃあ、どうしてショックを受けたのか
今回の再々演のニュースは、上記の思考からしばらく時間が経っていたので、私は全く油断していた。まさに油断しきっていた。
それゆえ、結局心の準備が整っていなかった。
本音で言うと、私にとっては早すぎるタイミングだったということだろう。
だから、理性より感情が完全に勝ってしまったのだ。理性の完敗だった。
私は、もう半世紀も生きている一般的には大人だ。
だから、やはり感情ではなく理性で行動できるようになりたいと常日頃から思っている。
今回の問題は、私自身まだ理性が感情を超えられていない、ということだ。
タイミングは人それぞれだ。
もう既に大丈夫だよ、というタイミングの方もたくさんいると思うし、私よりもまだまだ、という方もいると思う。
全ての人に受け入れてもらえるタイミングなんて、きっといつまでも無いのだろう。
別のひとならよかったのか
次のローラ役が、城田優君じゃなければ私はショックを受けなかったのだろうか。
正直なところ、それも少しある気がする。
優君と言えば、以前ミュージカル『エリザベート』をDVDで見たことがある。優君はトート役だった。怪しくも妖艶なブラックヒーローを見事に演じていた。
歌もうまい。華もある。やはり素晴らしいミュージカル俳優だと思った。
おそらく優君は、春馬くんとはまた一味違ったローラで、世間を魅了することだろう。何度も再演されて素晴らしい評価を得るだろう。春馬くんが見たくても見ることができなかった栄光を得るかもしれない。
それくらい、私は優君をミュージカル俳優として評価している。
そして、その考えが悔しさを呼び起こしたのだと思う。
つまり、”嫉妬”だ。
私は、勝手に、おこがましくも優君に”嫉妬”していたのだ、と気づく。
でも、いくら優君のローラが素晴らしかったとしても、春馬くんのローラの素晴らしさは消えるわけではない。むしろ、繰り返し再演され後世に引き継がれるミュージカルになればなるほど、初代ローラとしての春馬くんは伝説になる。
だとしたら・・・この”嫉妬”という感情は、やっぱり私にとっては不要な感情だ。理性で超えるべき感情だ。
春馬くんがいなくなって日から数日後に城田優君がpostしたInstagramを振り返ってみた。
(前略)
これまで春馬は、たとえどんなに苦しくても、必ずその重圧に打ち勝ち、その度にたくさんの愛、夢、感動、興奮、最高のエンタメを僕らに届けてくれました。
そんな春馬が成し遂げたかったこと、ミュージカルに懸ける想い、その野望や様々な夢。
そして春馬と交わしたいくつもの約束。
それらをここで終わらせるわけにはいきません。
これからは、春馬の意思を受け継ぎ、春馬の分まで、その”約束”や”夢”を大切に大切に育てながら、生きていきたいと思います。
(後略)
~yu_shirota Instagram 2020.7.23
優君はこの強い想いを胸に覚悟を持ってローラに挑んでくれたのでは、と想像する。
次のローラになることでいろんなこと言われたりプレッシャーだったり辛いことが多いのは百も承知の上で。
それに比べたら・・・
わたしの感情なんて、きっと超えられる。
でも、もうちょっと時間が欲しい。
それまでは、辛いなら『キンキーブーツ』関連情報を見ないようにしようと思うし、なんなら優君も見ない方がいいかもしれない。
ただひたすら春馬くんの作品鑑賞に没頭するのもいいかもしれない。
そうやって少しずつ整えて・・・段々と・・・
来年の秋には、その感情を超えて、再生した『キンキーブーツ』を心から応援できるようになっているといいな。いや、きっとできる。
最後に
ここに書いたのは、私個人の気持ちを整理するためだ。
建前なしの本音で書いたので、未熟な私を曝け出してしまって恥ずかしいが。
ひとそれぞれ理由はあると思うし、受け入れたくない人は受け入れなくてもいいと思う。
感情先行のこんな未熟な私の想いを読んでくださってありがとうございます。
ほんの少しだけ、気持ちが落ち着いてきた自分を実感。感謝。