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クロスワード・パズルの答えは?〜カギは「online bullying」

日常的に英Times紙(電子版)掲載のクロスワード・パズルに挑戦している。「Times Concise」というタイトルの、コンパクトな問題である。多少なりとも、英語の語彙力維持・強化に役立つのではと考えてだ。今は、オンラインでできるので、「降参!」となったら、すぐに回答を見ることができるのも楽しめる要素である。

ある日、こんな問題(カギ)が出た。

“online bullying"(8)  8というのは文字数である。

"bully"(動詞)という単語の意味は、<いじめる>である。子供をイギリスの学校に行かせていたので、日常的によく触れる言葉。職場でも“bully"は存在したりする。

“オンライン上のいじめ“、答えは動詞の-ing形の可能性が高い。カギの品詞・活用、名詞であれば単複数を意識して答える、クロスワードの法である。ただし、-ing形の単語は形容詞の場合もあるので、注意が必要だ。

日本でも、SNSなどにおける誹謗中傷が話題になることがしばしば、同様の行為について特定の言葉があるらしい。

答えは、“troll"、-ing形なので“trolling“、確かに8文字だ。

「へーぇ」と思い辞書を調べる。

リーダーズ英和辞典(第三版)、4つ目の語義として、

〈《ネット俗(注:俗語)》[Eメール(掲示板)で](挑発的な文言を)送信[投稿]する、‘あおる‘>

と記載されている。

1番目に書かれている語意は〈流し釣りで釣る〉という、釣りの手法。さらに見ていくと〈[何かを求めて(探して)]《特定の場所を》ぶらつく〉というのがあった。

学習用のジーニアス英和辞典には、

〈(挑発的なメッセージを)インターネットで流す《挑発に乗ってくる者を探す目的〉

とある。獲物を探して餌をたれるという意味から転じたのだろう。

なお、底引網を使ったトロール漁法の場合は、“trawl“である。

こうして調べていくと、“troll"という行為(なお、行為自体、行為者を意味する名詞としても使われる)は、もともとは挑発して受信者から怒りを引き出すものであったが、挑発や‘あおり‘といったレベルを通り越して、直接的に攻撃するようなものへとエスカレートしていったのだろう。

語義から分かる通り、本質的には受信者の怒りを誘って反応を引き出し、喜びを得ようとしている訳であるから、反論することが“troll“にとっては最大の釣果である。したがって、“troll“が垂らす餌に食いつかないことが重要である。対応は、無視するか、「あなたには反論しない」と宣言することなのだろう。

言葉を調べるというのは、なかなかに奥が深いものである


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