2023.9.22(R&Bの殿堂)

エタ・ジェイムズの発言(1993年の「ロックの殿堂」入りを受けてのもの?)がFacebookでシェアされていた。いわく、

「(白人が黒人アーティストを選ぶ、ロックの殿堂などというのは)逆の話で、本来なら、黒人が白人アーティストを選ぶ「R&Bの殿堂」であるべきだ」

おれとしては同意だ。ロックンロールというのは元をただせばR&Bの白人バージョンであって、それははっきり言って黒人からの盗用であった。のちのロックにしてもそのロックンロールから来ているわけだから、順当に考えれば「Hall Of Fame」はオリジナルを作った黒人のものであるべきだ、という考えかた。

どっちが最初かということを持ち出さなくても、そもそも対等な関係であれば、「(白人)ロックの殿堂」なんて一方的な権威付けは行われなかったはずで、いずれにしろナンセンスな存在だと思う。

こういうの、ずっと思うところあるんだけど。
たとえばローリング・ストーンズがマディ・ウォーターズをリスペクトしていたおかげでマディはそれなりに有名になった、みたいなのって、逆なんだよね。真似した側が真似された方を拾い上げてあげてるって、なんかおかしいじゃん。もちろん盗みっぱなしで顧みることもないよりはましかもしれないけれど、極端な話、ストーンズというバンド一つだけでも黒人のブルースマン全員分よりもおそらく儲けている(想像だけど、そうであってもおかしくないと思う)という状況は変だ。

そうなる理由のひとつに、単純に、アメリカ黒人の人数が白人に比べて少ないというのもある。だから白人のほうが売れるというわけ。ちょっと前の統計でも、アメリカの人口のうち黒人の割合というのは30%前後だったと思う。だからといってじゃあ単純に黒人が少ないからじゃん、というわけにもいかない。誰がアメリカに無理やり連れてきたんですかって話だから。

こういうことこそ客観的に書かなきゃならないけど、むずかしいな。やっぱり苦手だ。客観的な文章。

うーん。ならばと自分の周りに話を引き下げると、音楽好きの知人なんかでも、こういうことを考えたこともないような人がやっぱりたくさんいる。その人が悪いというわけじゃなくて、普通に「音楽好き」をやってたら、普通に白人ロック中心主義を内面化してしまうのが当たり前の状況なんだと思う。音楽雑誌なんか読んでもそれが普通だし。

うーん。

まあ、上記のようなことに俺が知ってるのはたまたまブラックミュージックに関心があるからでしかないし、おれ自身無自覚に搾取に加担しているようなこともたくさんあるはずなので(ユニクロの服着るとか)偉そうに言うつもりは毛頭ないんだけれど、もし音楽が好きなら、そういう話もあるんだというくらいは思ってほしいなあとも思う。私も勉強するので。。

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