2024.9.10

 最近調子がいい。八月の後半あたりから。やはり毎日出社ってのが気持ちによくない影響を与えたのはまちがいないだろう。さりとて在宅勤務でも調子が悪い時は悪い。今のところこれをコントロールする術は持っていない。精神を筋トレすることはできない。だんだん自分を理解して、少しずつ少しずつ自分の生きやすいベースを持ち上げていくしかない。あれこれ試行錯誤しながら。

 俺がブルースに出会えたのは、生き甲斐とかそういうのだけではなくて、本当に自分にとって幸運であったのだろう。人並みはずれて巨大なおれの自我。それが顔を覗かせたとたんに演奏が悪くなるという経験を繰り返したことは、あきらかに自分の人生そのものに影響している。ああ俺は今自我にとらわれているんだな、とか、そういうことがわかるようになってきてから、少し違うことではあるけどたとえば鬱になって身体が起きられないとき、その身体ときりはなして思考ができるようになった。ああ、行きたくないんだね、じゃあ今日はやめとこうか…しんどい自分を、素面の自分が観察することができる。もちろんそういう時ばかりではないが、過剰な自責癖をやわらげることができたのは大きい。むろん投薬の影響はあるにせよ。

 まあ俺とて鬱病患者代表を名乗れるほどの人間ではないけれど、どうしようもないときはどうしようもないのであって、そういう人にがんばれとかそんなん気が滅入るからやめろというのは、40℃の熱を出している人に言うのと同じことで、ほとんど意味がない。休むなり、抗生剤を飲むなり、からだの分析をするなり、必要なのはそういうことだ。

 俺はあんまりそれをわかられてこなかった。比較的軽度であるというのもあるが、いちばんの原因は、自分自身すら自分を理解してやれてなかったことだろう。来年30になる。やっと少しずつ自分のことがわかってきたような気がするのである。

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