2024.3.27(天気いい)

今日はお休み。なんたって天気いいんだもん。こんな中で家こもって仕事するわけにいかない。

手始めにコインランドリーに洗濯物を突っ込んだ。おばさんが電動キックボードでいきなり乗り入れてくるので困惑する。急に暖かくなって気をおかしくしたのか? 洗濯を待つ間コロラドに行こうとしたらやってなかった。マスターも競馬とか行ってるんだろうか。たしかにこの天気でばーっと広がる競馬場を見渡したら最高の気分だろうな。いや、行ったこともないし、普通に事情で休んでるのかもしれないが。しょうがないんで、というか、なんとなく今日はコロラドとも違う気もしていたしで、別の喫茶店に来た。ここは自家焙煎らしくコーヒーが美味しいし、外でなら煙草が吸える。通りがかった、お母さんと一緒の小さな子が笑いかけてくれるので、タバコの火を消してちょっとひょうきんな顔をしてみせる。戻るタイミングを待って店員さんがカフェオレを持ってきてくれた。すいません、ありがとうございます、といって口をつけた。やっぱりおいしい。

昨日から千葉雅也の『アメリカ紀行』を読んでいる。アメリカと日本の感じ方……というか風土の違いが彼の解像度を通して伝わってくるのがおもしろい。俺が実地に行ったとしてもこういう感じ方はできないだろう。今も読んでいる。が喫茶店でかかっているジャズが気にかかって集中できない。ジャズって、そんなにムード音楽として優秀だろうか。もちろんJPopを流されるよりはいいが(池尻大橋に住んでいた時行ったカレー屋でずっとあいみょんとかが流れていて、味がよくわからなくなった)それにしたってスウィングというリズムはもとよりダンスのためにあるものだし、ソロはソロである。

女性ボーカルの曲に変わったのでShazamしてみる。Days of Wine and Roses。酒とバラの日々。タイトルは知っていたがこんな感じの曲なのか。ジャズの人がよく「酒バラ」とか略すのを見かける。まあそうなるのはよくあることだが、無粋だなあと思う。酒鬼薔薇聖斗のことを思い出してしまう。それか、豚バラ。

店を出て、「ついでに一本吸っていっていいですか」と訊いて外でもう一度タバコに火をつけた。なにかうめきながら楽しそうに歩いているおじさんがいる。春だ、と思う。おれが「春は○○○○が増える」といったような言い方にはじめて出くわしたのは確か子供の頃に読んだ白土三平の漫画だったと思うけど、あれはいつから言われていることなんだろう。他の国でもあるのか。北欧とか。あと、どういう理屈なのだろう。みんながおかしくなるのか、それとももともとそういう気性の人が元気になって外に出るということなのか。とにかく、江戸時代を舞台にした漫画でそれを知ったせいか、その言い方は俺の中で昔の人のドライさと何となく結びついている。

ここまで書いたころ…つまり午前中は、いろいろな選択肢を考えていた。せっかくだし公園でアコースティックギターを弾こうかとか、めったに行かない美術館に行こうかとか。渋谷で映画を見て買い物しようかとか。結局俺がとった選択肢は、「洗濯物を畳む」「最寄りのマッサージ店に行く」「近くの公園でビールを飲む」だった。それで四時前になった。でもよかったのだと思う。

前に書いたかもしれないがそのマッサージ師は凄腕だ。どこが調子悪いかを見ただけで大体当ててくるし、行った後は身体が軽い。軽い腰痛があったのだが大体治ってしまった。普段は寡黙、というかシャイな人だが、今日は天気で気分がよかったのかずいぶんしゃべった。彼はアトピーすら治してしまうそうで、それがかねてより気になっていたので「どういう理屈で治るんですか」ときいてみた。肝臓や腎臓といった解毒を司る臓器の元気がなくなると皮膚から毒を出すようになるので、臓器がうまく働くようにほぐしてやると治るということらしい。ふうむ。ペプチドとかアミノ酸とかむずかしい話をしていたがよくわからなかった。あとは、インボイスなんか困るとか、体内電流がなんだとか。

ほんとに機嫌がよかったらしくて同じ料金で15分くらい延長してやってくれた。「平日ひまなんで」といいつつ「色々やってみます」と楽しそうだった。彼はマッサージのオタクなのだ。

さて身体も軽くなった。これからどうしよう。銭湯でも行こうか、うーん。

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