2023.6.26(ライブの感想など)

沖縄で梅雨明けとのニュースがあった。ここ数年、梅雨といえばもう、夏を圧迫するくらい長々と続いていた記憶があるが、今年は何だかあっさりだ。本当に終わるんだろうか? 梅雨は嫌だが、あんまりぬるりと夏に入られても気分がでない。勝手なものだが。強いて言えば一週間。一週間かっきりで終わるくらいがちょうどいいと思う。

昨日は坂本慎太郎のライヴを観てきた。日比谷野音に行くのは初めてだったが環境としてとても良かった。立見席も結果的には良かったと思う。音響的にはバランスが取れているし、後ろにある売店でふらっとビールを買って戻る、みたいなことも簡単にできるし。もちろん最前列とかで観られたらまた違った感興がわいただろうが。すこし遠くに音楽堂を眺めながら、少し上を見やるとだんだん暗くなっていく空に月がのぼっている、そんな経験ができて嬉しかった。野外で音楽を聴くのはこれが初めてではないけれど、いわゆるフェスのにぎにぎしさがあんまり得意でないおれは、このくらいが本当にちょうど良かった気がする。

終わったあと三軒茶屋の飲み屋でIと感想やら何やら話した。俺が思ったのは、直球で人を刺すような表現をするのではなくて、ある種ムード音楽的なところを狙っているのではないかということだ。これは野音で聴いたから余計そう思ったのかもしれないけど。Iが言っていたのは、「音楽パワーがそこまで強くない」ということ。たしかになと思う。例えばサックス。前にインタビューで、サックスを入れたのはどういう理由からですか、と問われた坂本が、「うーん、まあ、普通にいい感じになるというか」と答えていたのが印象的だったのだけど、適当に答えてるようで案外本当にそういう意図があるんじゃないかと今回邪推した。音楽の色は変えていくけれども熱はそこまで上げていかないような。サックスがそういう楽器ということじゃないよ。使い方として、いい感じで溶けるように吹いているのではないかと思ったのだった。たとえばコルトレーンがあのバンドにいたらすごくなっちゃって、それも坂本の意思には外れてしまうような気がした。

ゆらゆら帝国、という名前を出すのは、なんだかちょっと抵抗があるのだけど、の、サイケ感というかトリップ感は嗜好として少し残すけれども、ああいう色でいうと真っ赤みたいな表現はこのバンドでは極力しないようにしていると思う。単純なところではギターは歪ませない。TS-808のブーストくらい。バンドとしても、あまりタイトにはしすぎない。ちょっとゆるいくらいのアンサンブルを意識的にやっていて、空気感を作ろうとしているのが観て取れた。

さっき坂本慎太郎でツイート検索して見ていた。見なきゃいいのだが、なんとなく他人の感想みてると自分のそれが濁っていくのを感じる。感想ってツイート単位であんまり消費することじゃないような気もするし、ツイートくらいのサイズじゃないと書けない(どうせ書ききれないので)ことのような気もする。シャムキャッツの夏目が、ライブ後のツイート禁止、みたいなことをどっかでしゃべっていたけど、まあなんかそれもわかる。その場の熱や感情を言葉によって矮小化してしまうところはたしかにあると思う。

最近自分のキーワードでお節介ということがあって、昨日もIにこれはよくないんじゃない、こうしたら、ということを(それでも一方的にならないようにしてるつもりではあるけど)けっこう言った。他者の尊重と、腫物に触るように慎重に接することは、いまいち違うような気がどうもしている。かといって説教ばっかしてたのでは最悪なのだが。俺はあなたについてこう思うけど、どうかな? ということを言えるのは、自分のいうことをあくまで一意見として受け取って自分で考えてくれるだろうという信頼あってのことでもある。言い方は気をつけるのだけど。

最近髪を切ってもらっている、いつもヒップホップが流れている、いけてる美容院でいくつか三軒茶屋の美味しいお店を教えてもらったのだが、三つのうち一つしか思い出せない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?