2023.2.26(「スカッと」なんてある?)

久しぶりにブルース(?)のライブだった。また対バンはしょうもない二組だったので、リハの時点でイライラしはじめていて、演奏にはその怒りがこもった。ロック的な意味でいう感情表現にはなっていたかもしれないが、ブルースの感情表現はもっと高次なものだと信じているので、あまりやり切ったという感じはない。低いレベルでやりあっても仕方ないし、そういうところでやっていることで遠ざかるレベルというのもあるので、そんなことをして喜んでいる場合ではないが、とりあえず同窓会的空気の中に迎合したくはなかった。大事の前の小事とでもいおうか? まずは負けねーという気概を取り戻したのだけは良かったのかもしれない。

バンドのベースのおじいさんと抜け出して少し飲みに行ったのだが、こないだ頭を打ったのが悪かったのか少し前の記憶も抜けてたり、道ですっ転んだりして危なっかしい。心配だったのでタクシーを呼んで突っ込んだ。

まっすぐ帰れば良かったのだけどなんとなく飲み足りず(という判断をするときは大体既に十分酔っ払っている)、月一くらいでいくブルースバーに寄って一杯飲んだ。いつもどおりブルースのレコードの話なんかをする。

そこまではまあよかったのだが、昔からの常連みたいな人になんか絡まれた。常連といっても俺は初めて見たのだが。具体的には言ってこないけど明らかに悪意を向けられていることがわかったので、「君さ、もっと気を遣ってもらって」みたいなことをいきなり言われたタイミングで、酔っ払いがうるさいよ、という意味のことを叫び返してしまった。

うーん。

なんとなくそれがもやもやしてよくわからなくなったので、この時間にパソコンを引っ張り出して日記を書き始めたわけなのだが、どうすればよかっただろう? 年長者の常連がそうであることを利用して無礼な態度を取ってきたという状況、もし黙っていても不愉快だったろう。でも、まああとから考え直すと、自分がそれに対して強気に返せたのも、一応自分も常連であって、それなりに嘱望されているんだぞという意識があったからにほかならない。結局立場は違えど精神構造は同じなんだよな。そうだとすると。

もっと圧倒的な権力勾配のもと、ハラスメントを黙って耐えざるをえない人がいる世の中で、こういうプチ反抗みたいなことやったところで、なんか自分もしょーもねーという結論に至ってしまう。いや、直後は、「言ったったw」という気持ちがあったのはこのさい告白するけど。でもその時ですらストレスの方が上回っていた気がする。自分は悪意に悪意で返しただけで、スカッとなんかしない。「スカッと」って当たり前みたいに番組まで作られているけど、どういう感覚なんだ?

まあ、とりあえず一言言い返して、そのあと会計して帰ったのだけはいい判断だったのかもしれない。俺に音を出させたがっていたけど、多分付き合っても余計腹立つだけだったし。

なんかこういう、ネガティヴなことを最近書いてしまうなー。ネガティヴっていうのは後ろ向きというよりは、文字通り負のことについて。当初の勢いというか、思考そのまんま出力みたいな感じが失われている。こういう話題ってもうひとつブレーキがかかる。

まあ、とにかく、会計して帰った。たしか新宿から京王線に乗り換えたのは憶えているがその他の記憶がない。そのくらい酔っ払っていたとしたら正常な判断はできてなかっただろう。素面だったらどうしたかな。でも演奏に付き合って、余計面倒なことにしていた気もする。んー。

しかしある系統の、めんどくさい酔っ払いの顔ってあるよな。スネ夫っぽいというか。顎が尖ってて、メガネかけてて、ちょっと戦後っぽい感じの顔。おれはもう一人そういうのにセッションで絡まれたことがあるけど、最終的には和解した。構ってほしいだけなのかな。

ま、いいや。このへんで。

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