2024.1.17(サービス)

なんか担当してるおじさんの明日の分のサポートを同期に頼んで在宅にしたら班長に小言を言われた。無責任だって…。まあ、正直それもわからんわけではないというか、「くらって」いるけど、まあ頼んだ同期も普通に快諾してくれたし、いいじゃん、と思う。そこの間で問題ないならさ。

会社の隣駅のねぎしに行ってみた。なんかサービスが行き届きすぎて逆に落ち着かないっていうか…。店員さんは全員テキパキしていて、ちょっと目をやるだけで声も出さないうちに注文を取りに来てくれるし、鉄板で出てくるわけでもないのに荷物にカバーをかけてくれるし、注文を全員で復唱してくれるし…まあ、日本の飲食業界の「サービス」においてそれが「質が高い」とされるのはわかるのだが、すこぶるノット・フォー・ミーだなと感じた。あまりにも注文取りづらいとか、荷物を汚いなあって感じの床に置かなきゃいけないとか、いかにも不機嫌そうに注文取られるよりは当然いいのだが、「マイナスの逆」を全力でやればいいかっていうとそういう話じゃなくない? と思う。

いや、ひとつも不快な思いはしてないんですけど。でも、こういうサービスってどこまでも自己目的的だよな、としらけた目で見ていた。会社なり店なりがみずから設定した方針にしたがって全力で演ずる店員さん。ほんとに文句言ってんじゃなくて…。でも、その「サービス」の中におれという個人は介在しない。あるのはただ企業のきめた方針と、そのプレイヤーである店員さんとの関係だけだ、と思う。

ただ、まあ…。だからこうせいって話なんじゃないんですよね。繰り返していうけど。おれが「うーん」と思っているのは、丁重に扱われているようで、実際に扱われているのは俺という個人ではなく「客」という仮想の存在でしかないということだ。つまるところ。

じゃあどうすりゃいい、という話を仮にするなら、客一人一人を人間として、店員さんも人間として、ちゃんとコミュニケーションを取る、ということになる。でもそれって、たぶんマニュアルを高精度にこなすよりもむずかしいし、消耗する仕事だ。バイトの給料でやることではない。おれだって無数に来る客の解像度を下げずに一人ひとり人間として接しなさいと言われたらやなこったとなるにきまっている。だから、ああせいこうせいという話ではないんです。

しいて結論をつけるなら、「いきすぎじゃない?」ってことでしかない。「店員」として高精度にアクトすればするほど、それが人工的なものであることがはっきりしてしまうのだから、もう少し適当にやったほうがいいんじゃないかっていう。いや、余計なお世話だけど。

書きながら、坂口恭平が高級なホテルでホテルマンをやっていた時の話が念頭にあった。外国の客の女の子が、お母さんが誕生日だから何かプレゼントして欲しい、といえば最高級のフルーツ盛り合わせを勝手に出しちゃうとか。それでみんなキョウヘイのことを憶えて帰るという。これは、本当に人を喜ばせたいと本気で思っちゃう人だからできる芸当であって…ただ本当に高い「サービス」というのはそういうことなんかな、と思ったりもする。マジで、超高級な店とかホテルだったらって話ですよ。一泊で何百万とか取るような、そういうとこなら。その辺のチェーン店の店員がそういう気持ちを持てってことじゃマジでない。

まあ、変に「人間的」に接客したら勘違いしてストーカーになる客なんかも出てくるわけだから。ほんとに、まあ、あれなんすけど…。事務的でいいです。べつに。

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