2023.6.16(Good Day Sunshine?)

きのうは、書いたとおりあんまり調子の良いとはいえない一日だったけれど、今日はなんか悪くない気がする。夜に書いた日記にmotivateされているというのもあるし、思いがけず天気が良かったというのもある。

夢に元彼女が登場して、べつにどうするということもなかったけれど、同窓会みたいなところで自然に話して笑ったりすることができたのでよかった。本でいえば読後感が良かった。爽やかな感じで、不思議と未練のようなものは感じなかった。おれは赦されたいと思っていたのかな。

そのあと、ハネダさんという非実在の女性が登場した。なんか卒業式っぽい雰囲気の中、なぜか二人で帰路に着く。ウェーブのかかった長い髪で、背が高くて、モダンなデザインのロングコートを着た、明るい雰囲気のひとだった。かなりな好感を持ったものの、彼女は途中で走り出して、予約していたらしい美容室に駆け込んでいってしまった。

どういう意味なんだろう? 目を覚まして、おもわず夢判断を調べてしまった。なんでも、新しい出会いだとか、新しい才能に気づくとか、なんかそういうことらしい。よくわからんが吉夢みたいだ。でも逃げるように走り出してしまったのは自分の自信のなさのような気がする。みんな自分を置いていくのではないかというような気持が俺の人生の通奏低音のようにある。それは歴代の彼女のおおむね全員に振られるかたちで別れられてしまっているからだろうか。それともおれの最古の記憶、0歳だか1歳の時の、目の手術で入院していた病室から、両親が申し訳なさそうに出ていく光景からだろうか。こんなことを考えても仕方がない。まあでも自分にとって、女性というのはこちらから近づいても、あちらからやってきても、いずれは離れていってしまうもの、になってしまっているのかもしれない。でも自分から離れていかないだろう、という人を俺は好きにならない気もする。というと極端なので言い方を改めれば、自信のある、芯のある女性が好きだ。それは、おれにありそうでない、あるいはなさそうである要素だからかもしれない。そういうひとに去られてしまうのは、自分に自信がないからで、なりたい自分ではないと思っているからか。『違国日記』に「なりたい自分になりたいの!」というセリフがあった。齢28にして、まだなりたい自分にはなれていない。いつ、なりたい自分と現実の自分が一致するのか。まあすることはないだろう、ブルースひとつとってさえ、理想の方がつねに先行していく。一致するとしたらあきらめたときだ。

吉夢といいながら明るいんか暗いんかわからん文章を書き出してしまった。というか率直にキショいな。まあしょうがない。

ブルースを聴く気分ではなかった、聴けるんだけど、いちど違う感じに自分を切り替えた方が、練習するにしたって新鮮にできるし、ということで、先日知人がリリースしたアルバムを聴く。やっぱりなんか朝に聴きたくなるアルバムだ。初夏というには少し暑くなりすぎた団地の公園でだらだら聴いていたいような雰囲気がある。午前中に。

知人のアルバムだから、ということもないではないけれど、でも本当にこのアルバムが好きだ。これまで「通ってきた」もの、たとえばある時期に中村一義の『金字塔』を好んで聴いていたのだけど、そういうポジションにこのアルバムも置くことになると思う。自分が「やる」音楽ではない、ただ好んで聴いているアルバム。そしてこのアルバムにはアルバムである意味がある。全体に空気感が統一されているところが。音楽的な変化はあるのだけどずっと同じ耳で聴けるのがいい。彼が一人で作った曲を集めたアルバムも制作中とのことで、まえに少し聴かせてくれたが、それも全て再録で、やはり意図的に(一曲ずつリリースしていたときはばらばらだった)曲の印象を整えていた。彼曰く、「(前にリリースした音源をそのままアルバムに収録するのは)主義に反する」ということだった。そうなんだ。そんなこと考えたこともなかった。そのときに、この人はミュージシャン、というかアーティストなんだなと思ったものだった。

俺はアーティストだろうか。そうでもない気がする。どちらかというと研究者だ。強いて言えばブルース・ミュージシャンだろうか。なにか表現したいものがあるという意識があまりない。ただ感情を動かすような演奏をしたいとは思っている。それにはどうすればいいかを研究している。ああ、シカゴ に行かなければなあ。その感情を動かすようなブルースの演奏を、俺はまだ観たことがないのだから、それはできなくて当然だ。

まだ十二時間も経っていないが今のところTwitterをやめてよかったと思っている。ちょうどツイートサイズの言葉や思考がわいてきて、アプリを開きかけ、あ、ないんだった、というのを今朝だけで何度かやったが。ツイートサイズの言葉にやはりとらわれることがある。それはマイクロプラスチックのように頭を埋めていく。Twitterのない世界はクリア、かもしれない。


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