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婚活マエストロ・宮島未奈著

婚活マエストロは、本屋大賞を受賞した「成瀬は天下を取りに行く」「成瀬は信じた道を行く」で宮島さんの描く”主人公”に魅せられたため手に取りました。

私自身、いつも自信がないというか。

自分を信じられないタイプで、人に求められる人を演じることで褒められ、認められることで安心して生きてきた人です。

だから成瀬のような”人にどう見られるか”ではなく”自分は何をやりたいのか”で生きている人をかっこいいと感じました。

ですが今回は違うな、と。


というか私がこの本を手に取ったきっかけは、主人公の「婚活マエストロ」よりももう1人の主人公の職業がWEBライターだったから。

実は私自身も、3年近くWEBライターとして働いてきた経験があります。

そしてWEBライターという仕事に対する、自信の持てなさ・胸を張れない感覚・WEBライターって職歴として社会に通用するの?みたいな気持ち。その感覚が同じだと感じたからです。

また著者もWEBライターとして活動されていたと、他の冊子で読んだこともあり、もしかしたら著者も実感していたことなのでは?と勝手に思っていました。

実際に読み進めてみても「婚活市場でWEBライター・40歳って大丈夫なのかな」みたいな主人公の不安とか「広報のライター職の女性と出会った時に、自分は見劣りするな」という劣等感とか、すごい分かるというか。

WEBライターって聞こえはいいけど、主人公のように「インチキ星占い記事を作っているだけ」みたいなところも合って、「これが私の仕事で、これをしてきたんです」とは人に言えない感覚があるんですよね。

そんな風に共感をしてしまいました。


WEBライターのこと以外にも、この本を読んでいて共感した部分があって。

婚活パーティーに不慣れな女性に、主人公が「緊張して当たり前。非日常の場なのだからただ会話を楽しむって思って参加してみては?」「気になることがあれば質問する」「もし会話が弾まなければ、相手のせいだと思っておけばいい」そんな言葉をかけていました。

私はこの言葉で、すごく救われた思いがしました。

というのも、私は転職活動中で、企業の方とお会いする時にいつも緊張して「しっかり話さなければ」「いい印象を持ってもらわなければ」とガチガチに考えてしまっていて。

ですが転職も婚活も、言ってしまえば双方のマッチングですよね。

無理やり気に入られてもその後が続かないし、自分も苦しくなってしまう。

だったら「ただ会話を楽しむ」「話が続かなければ感覚が違うのだから無理に合わせない」それでいいんだと。当たり前のことを再確認させてもらえました。

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