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著…東田直樹『ありがとうは僕の耳にこだまする』

 素直な言葉で綴られた詩集。

 心にスッと優しく溶け込むような作品ばかりなので、読むと癒されます。


 中でもわたしのお気に入りは、『だから朝焼けは美しい』と題された詩の、

 だんだん夜は明けていく
 少しずつ 少しずつがいいのだろう
 人の心に沁みこむように
 時の流れをのみこむように

 朝焼けが引きよせる
 命を
 愛を
 光を

 だから朝焼けは美しい

(著…東田直樹『ありがとうは僕の耳にこだまする』単行本版P47から引用)


 という一節。

 まるで、今まさに自分が暁の美しさに見惚れて涙しているかのような、そんなイメージが自然と湧いてくる作品です。

 また、『行こう今日が来る前に』と題された詩の、

 いいかい 行こう
 壁の向こうへ
 自分の心に正直に
 約束していたはずの自分は
 どこに行ったか
 探しに行こう

(著…東田直樹『ありがとうは僕の耳にこだまする』単行本版P64〜65から引用)


 という一節も素敵です。

 なんだかハッとさせられました。

 わたしのなりたかったわたしは、一体どんなわたしだったのだろう? と。



 〈こういう方におすすめ〉
 瑞々しい感性の詩を読みたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 30分〜1時間くらい。

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