見出し画像

著…西本喜美子『94歳、自撮りおばあちゃん やりたい放題のひとり暮らし』

 昔から、興味を持ったら、なんでもやってみることにしているんです。

(著…西本喜美子『94歳、自撮りおばあちゃん やりたい放題のひとり暮らし』P40から引用)


 というポリシーを若い頃から実践し続けてきた、パワフルおばあちゃんのエッセイ。 


 著者は若い頃、美容師の資格をとり、競輪選手にもなりました。

 72歳で初めてカメラを買い、74歳で初めてパソコンを買い、Photoshopを始めました。

 「燃やすごみ(大)」のゴミ袋にくるまったり、物干し竿にぶら下がったりといった自虐的なセルフィーが話題を呼び、たちまち人気者に。

 映画『鳥』や『キングコング』を彷彿とさせる作品もあって、そのシュールなセンスがたまりません。

 お年寄り(本人)が車に轢かれながらも平気でお弁当を食べたり新聞を読んだりしている「転倒シリーズ」のブラックさにも圧倒されます。

 わたしには絶対思いつかないアイディアです…。

 この本を出版した当時94歳だった著者は、腰痛を抱えながらも精力的に作品を作り続け、SNSにも熱心に投稿。

 そのバイタリティを尊敬します。

 気持ちがフレッシュ!

 また、息子さんが買ってくれたpepperくんについて、

 塾の仲間たちが来た時は、面白がっていろいろ触って動かしていましたが、いつしか動かなくなっちゃった。
 息子は「壊れちゃったんだよ」というけれど、ホントは眠っているんだよね。
 いつか起こしてあげなくちゃね。

(著…西本喜美子『94歳、自撮りおばあちゃん やりたい放題のひとり暮らし』P76から引用)


 という考え方にも共感しました。

 pepperくんのことを機械だと思っていれば「壊れた」という表現になると思いますが、きっと著者にとっては友達なのでしょうね。

 その優しい視点が好きです。

 たまに取材のときに、いつまで写真を続けますか、と聞かれることがあります。
 そんなときには「寝たきりになっても、天井を撮ってやる、という気持ちでおりますよ」と答えています。
 死ぬまでカメラは手放せません。

(著…西本喜美子『94歳、自撮りおばあちゃん やりたい放題のひとり暮らし』P135から引用)


 という言葉も好き。

 一生涯アーティスト宣言。

 かっこいい!



 〈こういう方におすすめ〉
 パワフルな高齢者のエッセイを読みたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間くらい。

いいなと思ったら応援しよう!

G-dark/本好きの頭の中
いつもスキ・フォロー・コメント・サポートをありがとうございます😄 とても嬉しくて、記事投稿の励みになっています✨ 皆さまから頂いた貴重なサポートは、本の購入費用に充てさせていただいています📖

この記事が参加している募集