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作…ジョージ・オーウェル 訳…川端康雄『動物農場 おとぎばなし』
すごい本を読んでしまいました…。
「きっと御伽話の体裁をとった社会風刺なんだろうな」と軽い気持ちで手に取ったのに。
それは合っていたけれど。
それだけじゃありませんでした。
この御伽話は、「めでたしめでたし」では終わらないのです。
※注意
以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。
この物語は、ある農場の動物たちが、農場主のジョーンズさんがいない時を見計らって大納屋に集まるところから始まります。
豚、犬、鶏、鳩、羊、馬などなど…。
そして、雄豚のメージャーじいさんがみんなにこんな話を始めます。
(中略)どうしてわしらはこんなみじめなくらしをつづけているのか。それは、わしらがせっかくはたらいて生み出したものが、ほとんどまるごと人間にうばわれてしまうからじゃ。
(中略)動物たちをはたらかせて、お返しに与えるのはかろうじて飢え死にしないだけのぎりぎりの量の食べ物、残りは全部人間が独り占めじゃ。
(中略)人間と動物は共通の利益をもつ、だとか、人間の繁栄は動物の繁栄である、などと言われても、口車にのってはならぬ。すべてうそなのじゃ。人間はほかの生き物などどうでもよく、自分の利益しかかんがえておらん。
と。
他人事とは思えませんよね。
今の政治のありさまにも重なる部分があるので、思わず動物たちに共感してしまいます。
メージャーじいさんは残念ながら死亡。
やがて、動物たちは反乱を起こしました。
誰も搾取されない、みんなが平等で、幸福を味わえる世界を目指して。
若い豚がリーダーとなり、ルールを決め、みんなで理想郷を作ろうと志しました。
けれど…。
最初は理想郷だと思えた世界なのに、だんだん歪んでいきます。
そのさまがあまりにリアルで残酷。
動物たちの中には早い段階で「なんだかおかしいぞ」と気づいた者もいたのですが、うまく丸め込まれてしまいました。
豚たちは自分たちに都合良くルールを書き換え、そして…。
…この続きが気になる方は是非読んで確かめてください。
わたしは結末を読んで、悲鳴をあげそうになりました。
〈こういう方におすすめ〉
恐ろしい物語を読みたい方。
〈読書所要時間の目安〉
3時間くらい。
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