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著…小長谷正明『世界史を変えたパンデミック』

 ペスト、コレラ、天然痘、エボラ出血熱などの病気が流行する度、多くの人々の命が奪われ、政治・経済・芸術分野も含めて歴史の流れが大きく変わってきたことを教えてくれる本。

 数え切れないほどのパンデミックを生き延びてきた先人たちに頭が下がります。

 医学が発達した現代に生きる我々だって新型コロナウイルスに怯えているというのに、まだワクチンや抗生剤が存在せず、治療法どころか病気の原因すら分からなかった時代の人々は、きっと「訳の分からない病気でバタバタと人が死んでいる!」と凄まじい恐怖を抱いたでしょうね…。

 周りの人々が病気に倒れていく中、偶然その病気に強い遺伝子や生活環境を持つ人たちが生き延びたのかもしれませんね。

 だから、わたしは特に、

 「感染を生き抜くのに有利であった体のメカニズムや遺伝素因の持ち主の子孫が今日の私たちだ」
(P7から引用)

 という文に励まされました。

 残念ながら、新型コロナウイルスによって命を奪われた現代人は多いです。

 しかし、人類絶滅にまで至っていないのは、きっと先人たちが子孫である我々へとバトンを繋いでくれた遺伝子であったり、先人たちが病気と戦ってきた記録や研究が今の医学の基となっているおかげなのでしょうね。

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