作・絵…マルカム・バード 訳…岡部史『魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン』
子どもの頃からわたしを虜にし続けている、茶目っ気たっぷりの本です。
本来は熟練した魔女向けの本らしいのですが。
人間の心をも鷲掴み!
これも魔法の力なのかもしれませんね。
この本に登場する魔女たちは、いかにも「悪い魔女」ばかり。
眉間に皺を寄せたり、口元を邪悪そうに歪めたりしています。
でも、ちっとも怖くありません。
鼻や顎や頬が妙にぷくぷくツヤツヤしているし、怒っているかと思えばニコニコしたりと表情豊か。
そのおかげなのでしょうか、この本にはブラックなことばかり書いてあるのに、とってもコミカル。
内容は、魔女の美容、最新プチプラファッション、占い、園芸、庭から小人や妖精を追い出すおまじない、インテリア、お料理のレシピ、手芸などなど。
もし魔女の世界に月刊誌があったら、きっとこういう内容が紙面を飾るのだと思います。
「つけまつげがないときは代わりに蜘蛛を使う」「髪の毛がツヤツヤし過ぎる時はパーマをかけて脱色すれば毛先が荒れてかっこうがつく」といった、人間の美の基準からはかけ離れたことばかり書いてあるのですが、お料理や手芸のページは人間にも真似できそう!
お料理に使う食材を手に入れられない時は何を代用すれば良いか?ということについても書いてあって親切です。
たとえば、みみずの代わりに使いやすい長さに切ったスパゲッティを、ハエの死骸の代わりに干し葡萄を、埃やカビの代わりにおろし生姜を使えば、わたしもあなたも魔女のご馳走を作れるかも…?
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