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おすすめの本一覧

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「誰かにおすすめしたい!」と思った本をまとめています。新旧・ジャンル不問。
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#エッセイ

著…浅田次郎『アジフライの正しい食べ方』

著…浅田次郎『アジフライの正しい食べ方』

 「おっ?」と興味を惹くタイトルですが、食事作法の本ではありません。

 旅にまつわるエッセイ本です。

 ユーモアのある文章が安定したリズムで紡がれるので、とても読みやすいです。

 ⭐️Kindle版

 ⭐️単行本版

アジフライの正しい食べ方www.amazon.co.jp1,870円(2024年11月12日

著…西加奈子『まにまに』

著…西加奈子『まにまに』

 何度でも読み返したくなるエッセイ。

 クスッと笑えるエピソードが、これまた面白い語り口で書かれています。

 けれど、単に面白いだけではありません。

 ⭐️単行本版

 ⭐️文庫本版

まにまに (角川文庫)www.amazon.co.jp748円(2024年11月09日 21:41時点詳しくはこちら)Amazon.co.jpで購入する

著…三浦しをん『しんがりで寝ています』

著…三浦しをん『しんがりで寝ています』

 コロナ禍と共に生きる日常。

 それをくすっと笑える語り口で綴ったエッセイ。

 転んで親指の爪が全部剥がれたという痛〜い出来事をも笑い話に変えてしまう、ウィットに富んだ文章が素敵。

 バスや電車の待ち時間、また、ゆったりとしたお茶の時間に読むのにぴったり。

 特筆すべきは、なんといっても著者のピカチュウ愛。

 映画『名探偵ピカチュウ』を観て、その愛くるしさに開眼したのだそう。

 それか

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著…西本喜美子『94歳、自撮りおばあちゃん やりたい放題のひとり暮らし』

著…西本喜美子『94歳、自撮りおばあちゃん やりたい放題のひとり暮らし』

 というポリシーを若い頃から実践し続けてきた、パワフルおばあちゃんのエッセイ。 

 著者は若い頃、美容師の資格をとり、競輪選手にもなりました。

 72歳で初めてカメラを買い、74歳で初めてパソコンを買い、Photoshopを始めました。

 「燃やすごみ(大)」のゴミ袋にくるまったり、物干し竿にぶら下がったりといった自虐的なセルフィーが話題を呼び、たちまち人気者に。

 映画『鳥』や『キングコ

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著…ヤマザキマリ『猫がいれば、そこが我が家』

著…ヤマザキマリ『猫がいれば、そこが我が家』

 人生のどの場面でも、傍らに猫がいた。

 そんな著者が猫への愛を語ったエッセイ。

 ある時、著者は愛猫を不慮の事故で亡くし、ペットロスになりました。

 食事が喉を通らず、仕事も手につかず、ふいに涙がこぼれる。

 そんな時、旦那さんがこんな言葉をかけてくれたそうです。

 素敵な言葉ですよね。

 もしもあなたが旦那さんの立場だったら、どうしますか?

 たとえば、「命あるものはいつか必ず死

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著…安藤なつ マンガ…まめこ『介護現場歴20年。』

著…安藤なつ マンガ…まめこ『介護現場歴20年。』

 著者は小学校一年生の夏、伯父さんが経営している介護施設に遊びに行ったことがきっかけで、介護現場に関心を持ったそうです。

 これは、それから約20年間も介護現場と関わってきた著者の体験をまとめた本。

 どのエピソードも、読みやすい文章や可愛らしい漫画で紹介されているので、内容が頭にスッと入ってきます。

 カズレーザーさんとの出会いを含む、芸人活動のあれこれも書かれているので、ファンブックとし

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著…草刈民代『バレエ漬け』

著…草刈民代『バレエ漬け』

 バレエが全てで当たり前という生活を送ってきた。

 だから、「なぜバレエを始めたのか」と質問されても答えられなかった。

 踊りたいという衝動。

 それは、本能のようなものではないだろうか。

 という文が印象的なエッセイ。

 もっともっと踊りたい。

 もっと上手くなりたい。

 稽古をしていてもエネルギーを持て余して、踊りに対する欲求をどこにぶつけて良いか分からない…。

 それくらいエ

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著…アシュリー・ヘギ 『アシュリー 〜All About Ashley〜』

著…アシュリー・ヘギ 『アシュリー 〜All About Ashley〜』

 普段、わたしは本の帯を捨ててしまいがち。

 しかし、この本の帯は捨てられずにいます。

 わたしが購入したこの本は第10刷で、その帯には「17歳となったアシュリーを追った~(中略)」「17歳のアシュリー(2009年4月30日現在)」と書かれています。

 …アシュリーは4月21日午前9時に亡くなったので…、4月30日までは生きられませんでした。

 この帯が彼女の「もっと生きたかった」という想

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著…倉田真由美『ラブ中。』

著…倉田真由美『ラブ中。』

 20年近く前に出版された本なので、どうしても内容に古さはあるのですが、気楽な気持ちで読める恋愛エッセイ。

 まず、この本の冒頭に、

 と書いてあって、わたしは思わず仰天しました。

 この記事を読んでくださっているそこのあなたには、そういう経験ってありますか?

 心の底から本気で惚れた人と付き合った経験って。

 わたしにはありません。

 今までの人生の中で彼氏は数人いたけれど、はっきり

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著…有栖川有栖 写真…川口宗道『作家の犯行現場』

著…有栖川有栖 写真…川口宗道『作家の犯行現場』

 作家の有栖川有栖氏がミステリー性のある場所や物から放たれる空気に触れて綴った旅エッセイ。

 軍艦島。
 明石海峡大橋。
 出羽三山湯殿山の即身仏。
 満奇洞(まきどう。横溝正史『金田一耕助 ファイル1 八ツ墓村』)。
 江戸川乱歩邸の蔵。
 能登金剛(松本清張『ゼロの焦点』)などなど…。

 小説好き、特にミステリー小説好きにはたまらない場所や物を網羅しています。

 ああ、旅に出たい! 聖地

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著…朝井リョウ『学生時代にやらなくてもいい20のこと』

 青春時代にしか味わえない切ないエピソードと笑えるエピソードとが、絶妙のバランスで織り込まれているエッセイ。

 20あるエピソードのうち、1つめのタイトルを読んですぐわたしは「ぷっ!」と吹き出してしまいました。

 電車やバスの中でなく、自宅で読んで本当に良かった…!

 1つめのエピソードのタイトルは、…なんと『便意に司られる』。

 …小説『桐島、部活やめるってよ』で華々しくデビューを飾り、

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著…酒井順子『儒教と負け犬』

著…酒井順子『儒教と負け犬』

 著者がソウルと上海を旅して、それぞれの地の女性たちから独身事情と結婚事情を聞く、という本。

 時折、不倫事情についても触れられています。

 国も違えば文化も違うけれど不倫が蔓延っているのは共通しているのね…人間の倫理観ってどうなっているんだろう…とわたしはこの本を読んでいて妙に考えさせられてしまいました。

 と著者がきっぱり言い切っているのが痛快。

 「不倫したら即死刑」になったとしたら

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著…片桐はいり『もぎりよ今夜も有難う』

著…片桐はいり『もぎりよ今夜も有難う』

 ご本人もあとがきでおっしゃっている通り、この本を読んだら、片桐はいりさんの名前が「映画館もぎり」にしか見えなくなります。

 映画は勿論、映画館が好きだ! という人にはたまらないエッセイ。

 片桐はいりさんって、俳優になる前はもぎり(映画館でチケットを切ってくれるスタッフのこと)をやっていたのですね。

 俳優になってスクリーンに映る側になった後も、趣味で時折もぎりをやっていた。

 本当に映

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著…三浦しをん『お友だちからお願いします』

著…三浦しをん『お友だちからお願いします』

 恋の始まりを予感させるタイトルと表紙ではあるけれど、恋愛っけはぜーんぜん! 無いエッセイ。

 運転が苦手な自分の運転免許を「殺しのライセンス」と称するなど、三浦さんの独特のセンスが光ります。

 こ、殺さないで…!

 安全運転をお願いします。

 中でも、お祖母さまとのエピソードが楽しいです。

 お祖母さまが御自分のおっぱいを「おしなびさん」と呼んでいる、というくだりではわたしも思わず声を

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