家庭教育は学校教育と違う | 家庭教育のススメ 2-2
※「家庭教育のススメ」2-2の記事です。
家庭と教育の違い
家庭教育は学校教育と違います。なにが違うかって?そりゃぁ、もう、「家庭」と「学校」の文字が違います。
...と冗談めかして書きましたが、ちょっと本気です。
学校が家庭のひとはいないでしょう(たぶん、おそらく)。たしかに家庭科はあります。あるけれど、家庭生活を快適に送るための知識と技能を身に着ける教科の一つです。
家庭とは?
家庭と学校が違うことは、おそらく多くの方に受け入れていただけると思います。では「家庭」ってなんでしょう?
いくつか定義を並べてみます。
夫婦・親子などの関係にある者が生活をともにする、小さな集団。また、その生活する所。 ーー goo国語辞書
家庭(かてい)とは、生活をともにする家族によって営まれる集まり、および家族が生活する場所を指す。ーー Wikipedia
「生活」というものをともにする、シェアする、共有する。
「生活」は広辞苑によると「生存して活動すること、生きながらえること」「世の中で暮らしてゆくこと」という意味だそうです。
「生きながらえる」ってのは、またずいぶんと極端なという気がしますが、究極的に生存にかかるレベルで運命共同体な関係性であると言えます。学校はそれとは異なるものです。
わたしなりに「家庭」とは何か?あらためて言葉にしてみると、
生活の基盤をおく複数の集団の集まるところであり、互いに受け入れ合い、温かい人間関係により生きる意味と意義、喜びを見出す場所
あるいは
複雑怪奇で多様性に富み、人生の基礎となるもの、生きていることの意味を与え、豊かな成長を育む場にもなれば、貧しく危険な場所にもなりうるところーー。
といったところでしょうか。人によって定義も解釈も異なると思います。どうぞ、一度ご自身でも言葉にしてみてください。
「家庭」の機能
「家庭」を機能面で考えると、ある人にとっての生活の中心であり、衣食住を二人以上で共有すること。でも赤の他人との共同生活は家庭とは少し違います。経済的、精神的に互いに依存関係にある人たちとの共同生活。家庭の目的は共に助け合い、暮らすところにあるのだと思います。
いずれにせよ、「家庭」は「学習を目的とした学校とは別の場」であり組織体と言えそうです。
家庭での教育は、学校でのそれとは異なります。
学校教育の目的とは?
さきに学校教育の目的をみてみます。学校教育とはどんなことを目的にしているのだろうか?と考え、あらためて教育基本法や学校教育法を調べてみました。
(教育基本法5条2項)
義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
(学校教育法 第21条)
義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成18年法律第120号)第5条 第2項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
二 学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
三 我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
四 家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
五 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
六 生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
七 生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
八 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
九 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
十 職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。
引用元:義務教育の目的・目標に関する法令上の規定 | 文部科学省
教育基本法は、普通教育の目的を2点挙げています。
・各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培う
・国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養う
能力を伸ばす、社会において自立的に生きる、国家・社会を形成する者として必要とされる基本的な資質を養う。ただ生きるのとは異なり国家や社会との関係が前提にあります。
子どもの教育という観点でみた場合、社会で生きていけるようにサポートすることが一つのゴールになるでしょうから、家庭であろうが学校であろうが、類似の目的となってくることは必然でしょう。
しかしながら、家庭と学校は、場としての目的と形態が異なることから、機能もあり方も当然異なってきます。どちらがよいということではなく、それぞれに役割があるということですね。
家庭教育を考えるにあたり、家庭としての役割を意識しておくことが必要だと思います。家庭で行うことを学校に任せてしまう誤り、学校に任せるようなことを家庭でやる誤り、いずれも避けて効果的に子どもの成長を導くことが保護者の役目であろうと考えます。
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
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