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【14】私のゼロ地点に戻りたい
人生の迷子になったので自分探しの旅に出たシリーズ
こちらにマガジンでまとめてます。
当時30歳過ぎたくらいにもかかわらず、世の中のことがほとんど分かった気になって調子に乗っていた私だったが、このとき積み上げてきた土台の一番の根っこが崩れたように感じた。
ゼロ地点に戻りたい
私はそれまで、やりたいことを軸に人生を選ぼうと思っていたはずが、心の底では、「誰かに迷惑をかけないこと」の方が大事で、さらに自分の五感を大事にしていなかったと気が付いたんだけど、そのとき、ふと疑問が浮かんだ。
今までやりたいと思っていたことは、本当に「自分が」やりたいことだったんだろうか。それとも誰かが、世間が、社会がやってほしいという期待だったんだろうか。
振り返ると「上場企業を辞めて自分の夢に向かっている」というところだけを見たら自分基準で選んでいたように見えるけど、実はそうじゃなかったのかもしれない。
例えばみんなでダンスをしているときに、私が周りと違う動きをしていたとして、周りに「違うよ」と言われて直したら、それは「他者の言いなり」だけど、もしそこで「もう誰かの言いなりになるのは嫌だ」という理由だけで自分オリジナルの動きをしていたら、それでも「他者を基準にしている」という点では一緒だ。
単に動機がプラス(言いなり)かマイナス(反発)かだけの違いに過ぎない。
他者基準で人生を選んでいたかもしれないと気づいた時、それまで自分がしたいと思っていたことも、本当に純粋なものだったんだろうか?わからなくなった。
「プラスでもマイナスでもない、まったく純粋なゼロ地点から、自分のやりたいことを見つけたい」
そう思った。
「書く」を仕事にしたい、という気持ちに気づく
「憂鬱な気持ち」が強まっていた心理セラピーについても改めて考えた。
「本当に心理セラピーを仕事としてやりたいのか?」と自問自答した時、「いつかはやりたいけど、多分『今』じゃない気がする」という気がした。
じゃあ「今」やりたいことは何?
そう思った時「そういえば私は文章を書くのが好きだっだ」と思った。
書きたい。
でも、どうやって「書く」で生きていけばいいのかわからない。
書くといっても小説家とか簡単になれるもんじゃないし、どうしたらそれで食べていけるんだろう…と思いました。
あれ、私はこれからどうやって生きていけばいいんだろう。
途方に暮れた。「どうしたらいいのか」考えても答えが出ないまま数日過ごしているうちに、新たな出会いがあり、それがまた私の人生を新たなステージに導いていってくれることになる。
そこから「私はいったい本当は何をして生きていきたいのか」を、生きなおす人生が始まる。
この時私を縛っていた思い込みがある。
「やりたいこと=食べていくための仕事」でなければならない、というもの。
これを手放すのも結構骨だったんだけど、それはおいおい書いていくことにする。
価値観という積み木を積みなおす覚悟
この頃、私に気づきを与えてくれた先述の女性に「まるでヘレンケラーが井戸水を手に受けて『ウォーター』という言葉を学んだ時みたいに、世界がガラッと変わった」と伝えたところ、「いや、全然違うよ。彼女はまだ幼かったけど、30過ぎて一から作り直すのは本当に大変だよ」というようなことを言われてぞっとした。
自分の中に、「これまで積み上げてきたものが、基礎からガラガラと崩れた」感覚があった。達磨落としで、下のパーツを木づちで飛ばされて、上も一気に崩れてしまったようなイメージ。
30歳を過ぎて、ある程度社会のことがわかったような気になっていて、少し鼻が伸びていたようなところで一気に奈落に叩き落されて「一からやり直しだよ」と言われたような気分。今まで積み上げたものは無駄だったのか?とも思った。でも、もしそうだとしても、覚悟を決めてやり直すしかないんだよな~なんで、そんな大変とかいうかな。とか若干思ったりもして。
30歳になるまで「自分を抑え込んででも相手を尊重すべきだと考え感情を抑圧し」「答えを本の中に探し続け、自分の感覚を麻痺させてきた」自分。
この年まで無意識のうちにその基準で生きてきて、急にそれを変えるのは確かに容易ではなかった。でも周りの人たちや環境にも恵まれたおかげで少しずつ自分を取り戻し「本当にやりたいことはなんだったのか」を見つけ、何年もかけて、人生の基盤を再構築していくことができた。
そして、実際には積み上げてきたものは無駄ではなかったと数年後には理解することになる。
人生、無駄なことは何一つないって本当だね。
それでは、ホニャラ~
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