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【15】「書きたい」と思ったら「編集」の話が来て徳島へ移住

自分を取り戻したいと強く願うようになった時、岡山をでて、徳島の限界集落にある古民家宿で働くことにした。

その直接のきっかけは「書く」を仕事にしたいけどどうしたらいいんだろう?と思っていた時のこと。

その古民家宿に宿泊したときの帰り際、宿主さんが「原稿用紙に自分の半生を書いたので、これをパソコンに打ち込んで編集してくれるスタッフさんが現れないかなあ」とふとつぶやいたのを聞いたことだった。

同時にその宿には、「古民家」「限界集落と言われるほどの田舎暮らし」「ビーガン料理」など、興味をひかれる要素がたくさんあり、そんな暮らしを経験してみたいと思ったのもある。

そこで、徳島の古民家宿へ移り、住み込みで編集作業をすることになった。

徳島に移るに当たって、全てを手放してゼロからスタートしたい、と思い、抱えていた仕事や趣味のイベントも全て手放して行った。

こういう時って面白いことに、すべて引き継いでくれる人がうまい具合に現れてうまくいくんだよね。


この場所は、自分を試すうえでとても良い環境だった。

限界集落で、テレビも新聞もなく、人の出入りも宿泊客以外はほとんどなくて、他者からの刺激が入りにくい環境。

人のやりたいことと、自分のやりたいことの境界線があいまいになっていた私にとって、接する人が少ない環境は、自分の本心を見直すうえですごくよかった。

他にも私が働き始めた6月は宿が比較的暇な時期なので時間にも余裕があったことや、一番は、宿主ご夫婦と毎日話したり食事を共にしたりするうちに、「この人たちなら大丈夫なんじゃないか」という安心感があったこと。

もし一緒にいた人たちが、ガチガチの常識人だったり、規範に厳しい人だったりしたら、私は人から嫌われることへの潜在的な恐怖が強くあったので、恐らく怖くて自分を試すことはできなかったと思う。

自分を取り戻すためには余裕と安心の両方必要だと思うけど、その両方がそろっていた。

宿主さんがよく「うちの宿は人生の転機のタイミングで来る人が多い」ということを言っていましたが、私もまさしくそうだった。

私はここにきて編集の仕事をすると同時に、自分を取り戻すために、自分自身に対して様々なことを試した。

五感を取り戻そうと、景色に目や耳を澄ませぼんやりする練習もした。これまでだったら何かを思いついたとしても、少しでも「人に迷惑をかけるかもしれない」と思ったらやらない方を選択してきたけど、敢えてやってみる実験もした。この辺については次の章にまとめている。


そして、私はここで「書く」に目覚め、「書く」道を突き進むのか!?
というところで続きます。

それでは、ホニャラ~



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