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アヤシイ講師や講座の見分け方 〜 ヤバそうな奴らはだいたい○○ 〜

こんにちは&こんばんは。翻訳ジャーニーです。
ネット上をぐるぐる見ていると、アヤシイ講座&講座というものが少なからず見つかります。その講座が本当にヤバイ講座なのかどうかは受けてみないと分かりませんが、受ける前からある程度は判断ができます

今回は、アヤシイ講座に捕まってお金を落としてしまう前に、そうした講師や講座を嗅ぎ分ける方法を紹介します。翻訳講座を念頭に書きますが、どんな講座にも使えるテクニックです。追記すべき事がありましたらコメントやツイッターにてお願いします。

アヤシイ奴らは見栄え重視

最初に書いておきたいのはこれです。

ヤバイ講師や講座は、その分野に関する知識がない人たちを
手っ取り早く、そしてなるべく多く集めようとします。

ヤバそうな講師はだいたいこの手口

彼らが最初に考えるのは「派手に着飾ること」です。いろいろな情報を盛って自分自身を立派に見せようとします。中身よりも見栄え重視、ということです。

見栄えは要素は2種類 -> 「権威付け」と「数字」

自分を立派に見せる方法は2種類あります。1つは資格や学歴といった情報で権威付けする方法です。もう1つは、具体的な数値を出して信頼性を上げることです。以下、個別に説明します。

盛り盛り権威

1つ目の要素は「権威付け」です。可能な限り多くの情報を並べて箔を付けようとします。

ここで注意すべきは

「立派な学歴や難関資格の持ち主」イコール「アヤシイ講師・講座」ではない

ヤバそうな奴らはだいたいプロフが情報過多

ということです。じっさい、優れた講師のプロフィールを見れば、「おぉ!」と驚くような経歴ばかりです。ポイントは「量」だと思います。経歴に書かれている資格や賞などが「変に多すぎる」のです。

「英検1級」や「TOEIC990点」くらいであれば書いてあって不自然ではありませんが、「ACME 翻訳大賞受賞」「ORSG 翻訳コース認定取得」「世界翻訳アドミニストレーター」のような、何やらすごそうだけど考えてみるとよくわからない、みたいな経歴情報が並んでいませんか?

騙される人は、こうした情報を1つずつ調べません。なんだかスゲー!と思って相手を信用してしまうのですね。逆に、調べるような勘の鋭い人は講座を受けないのでトラブルになりませんし、問題にも発展しません。これはヤバイ講師にとってもありがたいことなのです。なんかすごそうな経歴を並べておけば、騙されやすい人だけが集まってくると言う奇妙なフィルタリングができてしまうのです。

対策

それぞれの資格を調べてください。ネットで調べればたいていの情報はでるはずです。その上で、以下の点についてチェックしてください。

その資格や経歴が、1)そもそも存在するか、2)非公開的な性格のものか、3)公開されているが一定の出席さえすれば and/or お金を払えばもらえるのか

1)そもそも存在しない、というのは論外です。さすがにこんな情報を載せるとは思えませんが、一応チェックしておきましょう。
2)非公開的な性格のもの、という可能性もあります。何がどれだけすごいとその"認定"とやらをもらえるのかが不明瞭であれば、その資格は無視して考えましょう。
3)公開されているが一定の出席さえすれば and/or お金を払えばもらえる、という可能性もあります。経歴としてまったくの無価値ではありませんが、その講師の実力を積極的に証明しているとは限りません。

そのほかには、資格・経歴は存在するが資格を持っていること自体が真っ赤な嘘である可能性もあります。ただし、本当の詐欺師は全部を嘘で塗り固めません。ほとんどは本当のことで、肝心な部分だけにピンポイントで嘘を入れるものです(しかも解釈によっては本当になり得るようなやり方で)。確認のしようがないということもあるので、嘘かどうかまでは調べなくてもよいでしょう。

数字によるハリボテ工作

次は数字です。人間はすごそうな数字を出されると弱いものです。しかし、私たちはクールな目でその数字が具体的に一体何なのか?どのようにして作られた数字なのか、という点を見る必要があります。

具体的にはこんな例が考えられます。

これまで、のべ1000人以上に指導をしてきた実績

ヤバイそうな奴らはだいたい真っ赤な嘘は言わない

すごそうな実績ですが、この宣伝文句を読んだ人の感想と実態に大きな乖離がある可能性があります。

A:最悪のケース)実際にはYouTubeに載せた動画が1000回再生されただけで、「のべ1000人に指導」と言っているかもしれません。一般人の感覚ではそうはなりませんよね。

B:もう少しマシなケース)本来は"有料"の動画を作った上でその無料クーポンをばらまいて1000人に登録させた場合、「1000人に指導」したと言えるかもしれません。うーん、私の感覚では「No」ですけね。無料で登録だけさせて学んだかどうかは謎ですよね。

かわいいは作れる、数字も作れる

もっとひどい例もあります。たとえば、ヤバイ講師がツイッターアカウントを持っていて、フォロワーの人数が2000人いたとします。なかなかの数字ですよね。でも、そのフォロワーがハリボテ(偽アカウント or 実質的に意味のないアカウント)である可能性があります。フォロワーはお金で買うことができます(規約違反)。また、厳密な意味で「買う」わけではなくても、グレーなやり口で増やすことができます(具体的な手口についてはあえて書きません)。

見分け方1:シークレットモードから「ほかのおすすめ」的な情報を見る

仮に、ツイッターアカウントを調べているという前提でお話しします。お使いのブラウザには、「シークレットモード」や「プライベートモード」といった機能が付いています。このモードでツイッターを開くと、自分自身はログインしていない状態で講師のアカウントを見ることができます。

機能の名前はブラウザによって異なります

ここで、講師のツイッターを表示して、サイドバーに出てくる「おすすめツイート」を見てみましょう。ここには、その講師のアカウントに関連性がある(とツイッター社が判断した)アカウントがならびます

通常、ここには別の翻訳者や翻訳会社の名前がならぶように思います。あるいは、翻訳学校、翻訳学習者の名前かもしれません。さっそく、とある英語講師の方のツイッターアカウントで調べてみます。これは健全なアカウントでの例です。

これが普通のアカウントの「おすすめツイート」

上の画像にあるように、英語や留学といった明らかに関連しそうなアカウントが並んでいます。これは正常ですね。

ところが、アヤシイ講師のアカウントは違います。英語講師や翻訳講師のはずが、ここに「すぐに起業できる通信講座」「暗号通貨で資産形成」「オンラインカジノ」「賞金アプリ」「ネット集客なら弊社におまかせ」「簡単な副業で不労所得」といったアカウントが並びます。

なぜか?それは、アヤシイ講師のアカウントと上記の「Easy Money」系のアカウントで、フォロワーが共通しているのです。

フォロワーの多くは偽のアカウント

懸賞、賞金、カジノ、不労所得などのアカウントはフォロワーを購入していることが多いのです。もし調査対象の講師がフォロワーを(実質的に)購入していた場合、こうした「Easy Money」系アカウントと「フォロワーがかぶる」ことになります。結果的に、ツイッター社のアルゴリズムが「近いカテゴリー」だと判断してきてお勧めをしていると思います。

シークレットモードにして講師アカウントを見たときに、「おすすめツイート」にこれらのおすすめが表示されたら一発退場です。その時点で、ほかのあらゆるチェックをすっ飛ばしてブラウザタブを閉じてください。

ちなみに翻訳ジャーニーのツイッターで見てみると、翻訳会社経営で翻訳者のKaori Myatt さん、翻訳業界雑誌の通訳翻訳ジャーナル(私もたまに寄稿します)、翻訳通訳会社の社長で通訳者・翻訳者の肉村さんの名前が並びました。プロの翻訳者や翻訳志望者からフォローされてそうなアカウントばかりです。

こんなんが表示されたらとりあえずセーフ

見分け方2:フォロワーの数に対して「いいね」が少なすぎる

ツイッターを例に挙げますが、どのSNSにも言えることです。これもよくあるパターンです。フォロワーが1000人もいるのに、とっておき(と思われる)ツイートに2件しかいいねが付かないのは異常です。アカウントによって「フォロワー 対 いいね」の割合には大きなばらつきはありますが、これほどまでにアンバランスなアカウントはありません。フォロワーを何らかの手口で水増ししていると考えるべきです。前述の通り、フォロワーは購入できますし(規約違反)、直接的に購入しなくてもお金を使って増やすことはできます。

見分け方3:実施している講座の受講者数とレビュー数がアンバランスすぎる

たとえば、ストアカで100回も授業をしているのにレビューが5件だとしたら、これは明らかに異常です。受講生の全員がレビューを残すわけではありませんし、講師がレビューを依頼するかしないかでも数字は変わりますが、100回の授業を行って5件しかレビューがないのは、何らかの水増しや不自然な工作があるとみてよいでしょう。

ちなみに、ストアカの場合は無料で授業を実施することができず、最低価格が1000円に設定されています。つまり100人が受講したのであれば、少なくとも全参加者がトータルで10万円分を払ったと言うことです。これについても実は詐欺行為が可能なので、機会を見てお話しします。

一方で、クーポンなどを発行することでオンデマンドやリアルタイムの授業を無料にできるプラットフォームも存在します。そうしたサイトでは、無料クーポンを各所にばらまくことが可能です。

一般に、無料で登録した人よりも有料で登録した人の方がレビューを残す傾向にあります。また、自分自身が複数のアカウントを作成して登録することで、「ゴースト受講生」を量産することさえできます。メール アドレスは無料で大量に作れます。講座をホストするプラットフォーム側もそのあたりは厳しく取り締まってはいないようです。

見分け方4:そもそも検証できない数字が使われている

アヤシイ講師の見分け方は、検証できない数字を使っていることです。たとえば電子書籍はダウンロード数を公開しないのが普通です。そこで自分の電子書籍が「累計 5000 ダウンロード突破!」と書いても、本当かどうか甚だ疑問です。前述の手口でゴースト購入者を量産し、無料になるクーポンを使って"購入"して水増しすることだってできます。

おまけ(手っ取り早い調査方法)

最後になりますが、翻訳講師の場合、その講師の質を評価する手っ取り早い方法は「同業のプロから評価されているか」だと思います。同業プロで批判する人が1人や2人いても構わないと思いますが、賛同や賞賛をしてくれるプロ翻訳者が1人だけという状況はまずいですね。
また、ツイッターで頻繁につぶやいているのに同業者との接触がほぼゼロという人は孤高の士か詐欺師のいずれかあるいは両方です。

プロに相手にされていない翻訳講師は、カモを相手にしている

ヤバそうな奴らはだいたいプロの目を忍んで活動している

という図式が成り立ちますね。

皆さんも変な講師に捕まって、オンラインサロンやプライベートレッスンに引き込まれないようご注意くださいね。

今日の所はこのへんで。アディオース!

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