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【本のはなし】谷川俊太郎さんを偲んで

木を植える
それはつぐなうこと
わたしたちが根こそぎにしたものを
木を植える
それは夢見ること
子どもたちのすこやかな明日を
木を植える
それは祈ること
いのちに宿る太古からの精霊に
木を植える
それは歌うこと
花と実りをもたらす風とともに
木を植える
それは耳をすますこと
よみがえる自然の無言の教えに
木を植える
それは智恵それは力
生きとし生けるものをむすぶ


初めて谷川俊太郎という名前に触れたのは【マザー・グース】の翻訳本だった。奥付を見ると昭和58年というから相当前に刊行されている。谷川俊太郎さんが翻訳で、和田誠さんが絵を描かれている。お二人とも鬼籍に入られてしまった。私にとって今も大切に持っている本の一つだ。
毎週日曜日の朝日新聞朝刊に連載されていた詩を読むのを楽しみにしていた。ついこの日曜日の詩も読んだばかりだ。
今年の春先に掲載された企業広告の詩が、とても響いた詩なのでご紹介したい。
ご冥福をお祈りいたします。


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