本屋のくせにコンビニで週刊誌を買う、愛社精神のかけらもない会社員です。
つい今しがたまで、職場の書店にいた。そこにも同じ週刊誌は並んでいたのに、つい地元のコンビニで、アイスや菓子パンと一緒に買ってしまうのを止められない。
さらに、読み切りの食べ物系コミックもホイホイ買ってしまう。まがりなにも大型書店の店員である私の物欲を、あのおもちゃのようなサイズの棚でよくもこれだけ刺激するものだと感心する。
コンビニには、基本的に本や雑誌専用の袋は用意されておらず、もちろんカバーもない。さすがに汁だくのおでんとは別にしてもらうが、食品と一緒にレジ袋に放り込まれることも珍しくはない。
そのレジ袋は、2本の持ち手を腕にかけると口のほうが窄まるため、必然的に大判の雑誌はたわむ。ペラッペラの写真週刊誌など、持ち歩くうちに、ほとんど筒状態になってしまう。
しかし、その雑な感じが嫌かというとそんなことは全然なく、むしろ可笑しくて、好きだ。どこか小気味良くもある。メガホンみたになっててウケるー!とか思いながら、楽しく持ち帰っている。
書店のレジで10年、雑誌を丸めるなんてもってのほか、表紙にシワも指紋も付けないよう、細心の注意を払って販売してきたことへの反動かもしれない。私も雑誌が大好きだが、雑に読めるところが好きなのであって、コレクションする趣味は全くないのだ。
ただ、ハードカバーの単行本は、コンビニにはほとんど置いていないので、勤め先で買う。そしていつも思うのが、書店の袋は重たいものを持ち歩く用にできているとはとても思えない、ということだ。マチのないビニール袋の上の方に楕円の穴が開いているだけ。昔は持ち手の部分が2重になっているものもあったが、今はトイレットペーパーでいうとシングル仕様のみだ。
もし押入れの奥の方に昔の書店の袋があれば、比べてみるとわかる。袋の地は、書店の売り上げと比例して、確実に薄くなっている。
たった1冊入れて持ち帰ったとしても、家に辿り着く頃には横楕円が縦楕円に、無理矢理通した手首には赤い跡が色濃く残る。本の角がビニールを突き破ることもある。
本屋は本の専門店だが、コンビニより高く売っているわけではない。どこで買っても、同じ値段だ。でも、本屋で本を買ってコンビニ袋に入れられたら、多分みんな怒るのだろう。困ったな、どうしたらいいんだろう。
SEIYUみたいに、レジで袋を売ったら、みんな買ってくれるだろうか。
厚手で、腕に食い込まなくて、書店のロゴが印刷されたおしゃれなビニール袋は有料に。
コンビニ袋は無料で。
マイバッグ持参なら、何円かキャッシュバッグ。
私だったら断然、無料のコンビニ袋だな。
あれは意外と丈夫で安定感があるし、小売経験者的な精神的負担も少ない。
次回はさらにコストがかかる「紙袋」について書きます。
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