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YOSHINAのシステム手帳をオーダーさせていただいた話

 暖房がないと生きていけない寒さですね。
 皆さんの推し暖房器具はなんでしょう? 私はデロンギのマルチダイナミックヒーター。かんばるです。
 ホットカーペットも捨てがたい。

ショップにない手帳を作ってもらった

 YOSHINAをご存知の方は、題目として掲げた「オーダー」とは何ぞやとお思いのことでしょう。
 この度、YOSHINAさんに「ツヤツヤな赤い革の23mmリングバイブルClassicサイズシステム手帳」をつくっていただきました。
 公式には販売されていないカスタム品になります。

 これは、2020年にスタートしたばかりの皮革製品ブランドを知ってほしい――そんな、いちファンの叫びです。


バイブルサイズのシステム手帳に湧いた興味

 もともと手帳を活用したい気持ちはあるものの、なかなか長続きしませんでした。
 ルーズリーフのようなリフィルの入れ替えが可能なタイプが好きなのですが、まあまあ管理が大変です。
 綴じ手帳でバレットジャーナルに手を出してみたこともあるものの、『きちんと書きたい症候群』のために書くことがストレスになり、うまく活用できず。
 それなりな昔にA5サイズの合皮システム手帳を買ってみたものの、割とすぐに開かなくなった記憶があります。思い返せば、

  • 書きたいことに対して書き込みスペースが広い

  • 重く持ち運びがしづらい

 こういった点が要因だったのかな、と。

 昨年までは無印のA5サイズスケジュール帳を使っていました。が、年が変わり、同じモノを購入して。前年のものを見返して。
 ――相変わらずうまく使えていない。
 そんな感情が湧きました。
 手帳を変えようか、やっぱり入れ替えができるほうがいいな、ならばシステムだけれど、A5はうまくいかなかったし……
 では他のサイズではどうなのかと、システム手帳について取り扱っている動画をYoutubeで見るようになりました。
 いくつもの開封動画、ここがいいよ動画を漁りまくり。
 最終的な候補となったのは『バイブルサイズ』。

 なんでM6じゃないの? 小ぶりで取り回しがいいよ。と思われる方もいるかもしれません。
 実は、M6のバインダーとリフィルは少しだけ持っているんです。
 システム手帳に興味がなかった時代にとあるイベントでキャラクター目当てに買ったもので、用途を一つに限定して今でも使っています。なので体感的に「メイン使いをするにはM6は小さすぎる」と除外しました。

 また、最近革製品に傾倒していたこともあり「せっかく買うなら革の手帳がいい」と、思いつく限りの著名なサイトを眺めたり、手帳系ユーチューバーの『お迎え動画』を見漁りました。
 なんで『ポルコ・ロッソ』にはほぼ日カバーとノートカバーしかないんですか! なぜ!!
 本革のシステム手帳ばかり検索したためか、Googleが「これどう?」とクラウドファンディングで販売されている手帳をおすすめしだしました。ビッグデータってすごいね。

 そうして。

 その中に、その「青」が。

YOSHINAの手帳を選んだ理由

 かつて手に取ったA5手帳の経験から、バンドは邪魔なものだと考えていました。手帳に閉じたままのリフィルに書くには、バンドは手にあたり煩わしい。できればごちゃごちゃとした表紙裏の物入れもない方がいい。
 革一枚で作られたPLOTTERはそういった煩わしさがない反面、リングが細く、私が求める大きさではありませんでした。あと、背表紙の金具はカッコいいけど机にコツコツして不安になりそうで……

 その手帳はそれまで見てきた手帳とはまったく違っていました。
 リングノートのように逆向きに折れる表紙。
 表紙の内側にポケットはおろか、開きを留めるバンドもなく。
 それでも表紙は浮き上がることがなく。

 もともとガジェットが好きなこともあり、私は真新しく思える機構にめっぽう弱……違うそうじゃない。これは欲しい理由をあとから並べ立てただけだ。

 私はただただ。

YOSHINAシステム手帳 バイブルClassic アンチックサファイアブルー。愛用のペンを添えて。

 このツヤツヤでワザとムラありに染められたサファイアブルーに一目惚れしてしまっていたのです。

 クラウドファンディングは、購入が早いほど割り引かれてお得になる。
 残っている中で最も高い割引の残数と金額を眺めながら数日。
 息を飲みながら購入ボタンをクリックし。

 2024年7月。
 ホンモノが、手元に届きました。

 画面を通しての色相のズレはしょうがないとわかってはいますが。
 惚れた色より、少し暗かったんですよねえ……えへへ。

半年で感じた15mmリングの限界

 リフィルを買い。
 カバン内で開かないようにとバンドリフターを買い。ゴムの力で歪んでしまったのでヘアゴムとクリアケースを利用して緩めのゴム留めを作り。
 革製品ケアセットを買い。
 CARLのゲージパンチを買い。パンチ穴が4mmのものも買い。
 インデックスを買い。
 リフターを一枚自作して。
 使用前ふせんを入れておくケースを作って。

 思いつくままに遊んでいたら内径15mmのリングはあっという間に満タンになってしまいました。
 ポケットやペンホルダーが付いていない代わりに、それらの用途を持った革製のアクセサリーリフィルを真っ先に手帳から外したけれど。隙間の維持はできず……

 YOSHINAのバイブルシステム手帳のラインナップに23mmのリングがあることは、販売ページにある別商品で知っていました。
 ただしそちらはシボ加工の革のみ。カバン以外のシボ加工はあまり好きではありません。
 なら別の手帳はどうかと再びユーチューバーの紹介動画を眺めたり、SNSなどを検索したりもしました。が、YOSHINAが目に入ると「やっぱりこれがいい」と思ってしまう。

 迷った末に、ダメ元でお問い合わせのページを開きました。

「23mmの手帳を、現行以外の革で作ってください」

クラドファンディングで一目ボレをしたシステム手帳 バイブル サファイアブルーを使用させていただいております。

お願いがあります。
バイブルサイズを使うのは始めてなのですが、私の使い方では15ミリリングは容量不足のようです。そこで、23ミリサイズのものをサファイアブルーのシリーズで出していただくことは難しいでしょうか。

また、ポルコ・ロッソのような赤い手帳も探しているのですが、取り扱いのご予定はありますでしょうか。

身勝手なお願いではありますが、ご一考のほど、よろしくお願いいたします。

私が送ったお問い合わせを要約

 こんな内容を送ってしまいました。

 ソワソワしていると、その日のうちにお返事が!
 しかもしかも!

ご希望あれば23ミリで製作することも可能です。

YOSHINAの返信から抜粋

 あなたが神か。 

 いや神はYOSHINAの柔軟な対応姿勢でしょうか。
 仕事中だというのに 一瞬で舞い上がってしまい、ニヤケ顔を押さえきれませんでした。
 それと、「こんなに手厚く対応してくれるということ」を世間に伝えたくなりました。
 YOSHINAを多くの人たちにもっと知ってほしかったのです。

 さて、作っていただけるとなると、悩むのはその革になります。
 同色で作る? それは楽しくない、では同系統の別色? クラファン中の新作? は、さすがに儘が過ぎるか。
 モゴモゴとしながら決めかねていると、
「気になられた革の色見本をお送りしましょうか?」

 やはりあなたが神だ。

 さらに、

昨日、弊社企画担当は革展示会に行って、レッドの革見本も入手しました。
ご希望色と同じではないですが、革屋がある在庫のレッドから選びましたので、ご了承ください。

YOSHINAの返信から抜粋

 ……は? は?
 あまりの内容に、五度見しました。
 え、赤を……ポルコではないにせよ、赤を、ツヤツヤの赤を……選択肢に、入れてくださる……?

 既存ユーザーへの対応としては道を外れてはいないのでしょうが、こちらが申し訳なくなるほどの手厚さに若干の恐怖を覚えました。
 この内容をSNSにあげてしまってよいものか。
 どんなものでもネットに出せば万人の目に入ります。
「ここまではやってくれる」と思った人たちがスタッフらの手間を増やしはしないか、と。

 ――そんな配慮は送られてきた見本に脳内から退場してしまったのですが。

送られてきた革見本。
写真では伝えられない色味

 最新のkasumiに、サファイアブルーと同系統のもの、そして――赤。
 美しかった。
 真紅と呼べる色だと思った。

 コーティングのようなツルツルしたアンチックに。
 すべすべした吸い付きを感じるkasumi。
 アンチックよりもザラッとした質感のレッド。
 kasumiの手触りがが心地よく、赤推しがここに来て大きく揺らいでしまいました。
 これは、即答できない。

革見本に惑った年末

「しばらく考える」と連絡してから数週間。
 師匠も走る12月の中頃に終えたメールでのやり取りは、年末に差し掛かった忙しさもあり返事をできずにいました。
 それ以前に決めかねていました。
 見本を幾度も眺めて触って。手元の手帳と見比べて。

「赤でお願いします」
 そう返事をしたのは、除夜の鐘が叩かれ始めるまで3時間を切った頃でした。

 仕様確認のメールが届いたのは年始休暇明け。
 その返事と一緒に、このやり取りをnoteに掲載したいと申し出ました。
 YOSHINAはこんなにも素晴らしい対応をしてくれると伝えたいと。
 私が投稿することで過剰な期待をされはしないかと不安だと。スタッフの方々に余計な負担をかけはしないかと。

「青」と「赤」

 この記事をこうしてnoteに投稿していることが、YOSHINAの返答です。
 あらかじめ連絡したことに感謝までされてしまいました。

 そうして今、私の手元には2冊の手帳があります。
 使用感が出てきた青と、まっさらな赤と。
 大切にはしたくない。
 けれど、大事にしたい。
 使って使って使い倒して。私の人生に寄り添う存在にしていきたいです。

 というわけで気になった方は Go↓

 なお、この手帳は上記サイトに載っている23mm手帳と同価格で提供されました。
 なんでですかもっと取ってくださいよ! 流れ作業に乗らない業務ですよ! そこそんなに誠実にならなくていいのに!!!!

 一人でも多くの人に、YOSHINAの魅力が伝わりますように。

ご開封

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