【選んで無職日記29】犬、白米にハマる

　実家にいるうちの犬はラブラドールとスタンダードプードルのミックス（ラブラドゥードゥル）なのだが、ラブラドールの見た目と性格をほとんど受け継がず、家ではほぼプードルと呼ばれている。
　うちは代々黒いラブラドールの女の子がおり、彼女たちはみんなラブラドール界隈では定番の性格”ザ・食いしん坊”であった。落ちている何かを勝手に食べる。水もガブガブ飲む。与えられたご飯は秒で完食。「もう終わりましたけど？」の顔でこちらを見ている。これが普通。
　しかし新顔は違う。まずご飯にあまり興味がない。貰ったご飯も食べきらない。おやつも普通に残す。
　当初何か身体的に問題がある子なのかと家族でヒヤヒヤしていたが、インスタグラムや犬友達の情報などから、どうやら食べ物に飽きっぽい性格がそもそものプードルの特徴なのだと知る。
　でもとりあえず何でも食べられるものは食べて欲しい。彼女は見た目が巻き毛でモコモコのため多少大きく見えるが、触ると骨が細くてガリガリだ。動物病院の先生にも「もう少し太ったほうがいいね～」と毎回言われているようだ。
　そこで手を変え品を変え、ドッグフードのメーカーを変えてみたり、鶏のお肉や野菜を茹でてみたものを与えてみたり、おやつを少しご飯のうえに乗せてみたりしてチャレンジしてみたが、完食に至るにはかなり難しいらしい。

　そんな彼女が最近ハマっているのが白米だ。彼女と白米の出会いは庭でのバーベキューだった。
　お肉のお供に握った塩なしのおにぎりが余り、これなら食べるかもしれないと思い与えてみたところ、何だか食いつきがよいため少しずつあげてみた。握りこぶし大のおにぎりの半分がなくなっていった。ちなみにそのバーベキューが彼女にとって犬生初バーベキューだったのも功を奏した可能性がある。
　それ以来、釜からよそってしばらく置いておいたぬるめの米を、焼いたシャケや鶏肉と一緒に夜ご飯として召し上がっているらしい。のりたまオンリーのご飯を食べることがある私よりも優良な食事をされているようだ。
　とにかく何でもいいので沢山食べて、健やかに生きてほしい。そして出来れば毎食完食してほしい。