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1カラットのダイヤモンドで30万円のカラクリ

確かに安いと思いがちですが

1カラットで30万円とは聞いた事がない訳ではなく、安売りをしているお店ではたまに見ますよね。

業者目線では品質が恐ろしくて到底使えませんが、それでも1カラットという響きは絶大で欲しい方はいるようです。いわゆる「お化け石」と言われる品質は二の次で大きい石が好きな方は多いです。

有名芸能人が着けている宝石って大きい事は大きいですが、品質的には一定以上なので、大きいから高いという訳ではないと思うし別物です。

間違っても1カラット30万円といった宝石ではありません。

単なる酷い石

恐らくそのお店の目玉商品で利益的には1万円あるのではないかと思います。
ダイヤモンドの品質は様々ですがそういったダイヤモンドの場合、傷や内包物が多く、カットも悪いなど、平たく言えば「酷い石」になります。

うちは大阪なのでそういった「オバちゃん」が多く、ボクが宝石屋と分かれば、

「にいちゃん、これなんぼやと思う?」

って必ず聞かれます。ひと目見ても分かるくらい酷い石。「うわ・・・やばい石や・・・どうせ安いんやろな・・・ようこんなん売ったな。。。」

と思っても、それなりの価格を答えると、

「ブッブーー!めちゃ安かってん!◯◯万円やねん。やっすいやろ?」

ってどの方もそう言います(^^;)
大阪ではいかに安く購入出来たかを競う文化がありますから、そんな場合は適当に安いですね。っていうしか選択肢はないのでそう応えるようにしています。

また以前、ダイヤモンドの石だけを持参されて婚約指輪の枠のみの製作依頼をされた事がありますが、あまりに酷い品質だった事もあり、婚約指輪に使える品質ではなくオススメ出来ません。と説得した事があります。

結局分かってもらいそれなりの品質のダイヤモンドを使用して製作しました。

ダイヤモンドが大きいだけでは誰も喜ばない

婚約指輪にかぎらずダイヤモンドを宝飾品として使用するには最低限の品質があると思っています。上に挙げた品質のダイヤモンドは「客寄せ」としての役目があると思いますが、自分で購入する、または、誰かに贈るという事では使用できないですよね。

1カラットの婚約指輪で30万円というのは価格的には魅力的でも、贈られた方には値段よりキラキラしたダイヤモンドリングを考えるでしょうから、一見喜んでいても品質的には、

「・・・・・。」

となるんじゃないでしょうか。やはり最低限の品質は必要だと考えます。
うちでも最低限の品質で用意する価格は、大体が50万円くらいからになるので、依頼されても断りますね。

信頼出来る所で聞くのが一番

その為にも信頼できるお店や信頼できそうなネットショップに問い合わせをする事から始めないと本当に良い物を購入する事は出来ません。

それが1番難しい事は確かなんですが、一生の物を一生の伴侶に贈るのであれば、それくらいは必要です。

せっかく高額の買い物なのであれば、時間かけて調べたり聞いたり自分の知識と希望を固めてから、実際に買っても遅くありません。

ボク自身も高額な宝石を買ったり見たりする時は、同じように調べて聞いてから購入するかどうか決めますし、そういった経緯を経て購入した物は愛着が湧きますからいい体験が出来ると思います。

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