きたきた捕物帖
タイトル:きたきた捕物帖
著者:宮部みゆき
本を選んだ理由は
宮部みゆき氏が好きだから。
信濃毎日新聞に連載されていた
『よって件のごとし 三島屋変調百物語』
は毎朝の楽しみだった。
さてこの本は、
のっけから、岡っ引きの親分がふぐにあたって死んじまう。
捕物話なのに、親分が主人公ではないのか?
一番下の子分の北一16才が主人公だ。
この北一、小柄でやせっぽち。
捕物なんてできるのだろうか?
と心配しながら読み進めると
なんとまぁ
祟りやら神隠しやら(笑)
主人公なのにちっとも活躍しない。
なぜか人に好かれ
周りに助けられ
事件は解決していく。
登場人物の中で
北一が頼りにしている
亡き親分のおかみさんは目が悪い。
その代わり
耳や気配で周囲を察知する能力にたけ
謎解きや北一の成長に
欠かせない存在になっている。
帯に書かれている
「謎解き×怪異×人情」
うまいこと重なり合って
宮部みゆきワールドが心地よい。
個人的に宮部みゆき氏の
リズム感がとても読みやすいのだ。
飛ばし読みせずに
一字一句
情景を思い浮かべながら読みたくなる。
私のクセで
どうしてもビジネス目線で
見てしまうのだけれど、
北一が「文庫屋」として
独り立ちしていく様も興味深い。
「人脈」があっても
いざというとき助けてもらえるかどうかは別。
日頃からどう関わっているか?
素直な働きをしているか?
ちょっと悪態をついたとしても心を戻せるか?
書くそばから反省だ(;^_^A
もう一人の「きたさん」との活躍がこれから楽しみである。
(なんだか文体が変ね)
さて、どんな人に読んで欲しいか?
う~ん悩む。
時代小説を気軽に読んでみたい人
宮部みゆき氏の現代小説とは違う雰囲気を味わいたい人
人情話にじんわりしたい人
いかがでしょうか?
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