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【ココロコラム】連休明けに注意!
ネットや新聞などで、みなさんもそういう記事をご覧になったことがあると思いますが、自殺は、長期の休み明けがとても多いのです。
ゴールデンウィーク明けとか、夏休み明けとか。
これはどうしてなのでしょうか?
もちろん、もともと会社や学校に行きたくない場合、休みになれば嬉しいですし、ほっとするでしょう。
その休みが終わって、また会社や学校に行かなければいけなくなったとき、イヤな気持ちになるのは当然です。
死にたくなる人もいるでしょう。
でも、思いとどまる人もいます。
その差はどこにあるのでしょう?
「もともと、どれだけ会社や学校がイヤだったか」という差でしょうか?
もちろん、それもあるでしょう。
でも、それだけではないのです。
「行きたくないなー」「イヤだなー」と思ったとき、そういうときこそ、「気合いを入れて頑張れ!」と周囲からも言われますし、当人もそう思います。
自分の中の小さな種火を大きくかきたてようと、ことさら何度も「やる気を出さねば!」と自分にカツを入れるものです。
しかし、じつはこれはまったく逆効果なのです。
かえって「やる気はあるのに、できない…」という
辛い状態におちいる原因となります。
精神状態を高める(覚醒させる、興奮させる)ことを、【生理的覚醒】と言います。
「【生理的覚醒】状態では【優性反応】が【強化】される」のです。
どういうことかというと、「好きなことはより好きになり、嫌いなことはより嫌いになる」のです。
気持ちが盛り上がると、
やりたいことは、よりやりたくなる代わりに、
やりたくないことはよりやりたくなくなるわけです。
ですから、もともとやりたいことや好きなことなら、「よし! がんばるぞ!」と気合いを入れるのは、とてもいいことです。
よりがんばれます。
しかし、あまりやりたくないことや好きではないことの場合、自分にカツを入れると、入れれば入れるほど、かえって意欲が失われていって、とても苦しくなってしまうのです。
休み明けに、会社や学校に行きたくない気持ちがすごく高まってしまうのは、「なんとか、がんばって行こう!」と、気持を励ましてしまうからなのです。
ニートの人たちが、ようやく働く気持ちになって、就職先も決まって、いざ出社の日になって電車に乗れなくなってしまったりするのも、その日にはとくに「がんばろう! 」と思ってしまうからなのです。
精神が高ぶることで、少しイヤなことも、とてもイヤなことになってしまうのです。
では、どうしたらいいのか?
イヤなことをがんばるためには、あまり「がんばろう!」と精神を高めてはいけないのです。
それよりも、“ぬるい気持ち”で取り組んだほうが、結果的にうまくいくのです。
なお、周囲から「もっとやる気を出せ!」などと覚醒を促(うなが)されると、【外的覚醒】と言って、より【優性反応】が【強化】されます。
ですから、子供や部下にやる気を出させようと思って、「もっとやる気を出せ」などと言い過ぎると、やる気が高まる子供や部下もいる一方で、どんどんやる気が低下してしまう子供や部下も出てきてしまいます。
感情は理性では動きません。
感情のほうが理性よりも強いのです。
ですから、「がんばるべきだから、がんばれるはず」というわけにはいきません。
理性がハッパをかけると、感情はさらにこじれてしまうことも多いのです。
そのことをふまえて、うまくコントロールすることが大切です。
「気合いを入れず、さりげなく物事を始める」というふうにしてみてください。
「会社に行かなければ!」とか「学校に行かなければ!」とか「頑張らなければ!」とか、くれぐれも自分に気合いを入れないようにしましょう。
「イヤだったら、すぐに帰ろう。無理に行くことはない」くらいの気持ちで、だらだらと、なんとなく学校や学校に行くほうがいいのです。
そのほうが、死にたくなるほどイヤな気持ちが高まる、ということが起きずにすみます。
というわけで、連休明けには、無理に会社や学校に行こう・行かせようとせずに、行くとしても、気合いを入れずに、なんとなくだらだらと行くようにしてみてください。
なんとなくだらだらなんて、変なアドバイスと思われるかもしれませんが、苦しくなったとき思い出せるよう、頭の片隅に置いておいていただけると幸いです。
そして、大前提として、「自殺するくらいなら、会社や学校に行かないほうがまし」ということを、よくよく心に刻み込んでおいてください。
(津田秀樹)
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