見出し画像

ガン末期の症状

これまで痛みも吐き気もなく過ごし、父が末期ガンであることなど忘れかけていたある日。

──ここへ来る前、札幌の病院に入院していた

と父が突然言い出した。


私の知らない間に入院していたのか?と考えたが、父は毎日うちの近所の飲み屋に通っていて札幌に行っていた形跡はない。

病院に行くのも高校生の頃の盲腸以来…と自慢げに話していた。


意味がわからず問い詰めると、病院の場所やどういう経緯で入院したか、という点がごっそり抜け落ちている様子。


正しくは自宅近くの消化器内科から神奈川県内の大きな病院に移動し、そのまま1ヶ月入院することになった。当日、わたしが付き添ったことも記憶にないようだ。

記憶にないと言うより、父の頭の中では札幌で入院したことになっていて、記憶がないわけではないようだった。

ガン末期で見られる意識障害のことをせん妄と言うらしい。


初めてガン末期らしい症状に向き合うことになった。

せん妄とは、時間や場所が急にわからなくなる見当識障害から始まる場合が多く、注意力や思考力が低下して様々な症状を引き起こします。通常は継続しても数日間ですが、まれに数ヵ月間続く場合もあり、的確な処置が行えないと昏睡や死に至ることもあります。

健康長寿ネットより


いいなと思ったら応援しよう!