いざ出航。 介護を終えた、いまの気持ち
父の介護が始まったとき、全ての色を失ったような気分だった。だって、余命3カ月ってあまりにも短すぎる。それに加え、家はゴミ屋敷になっているし、保険も入っていないだと……!!!
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まぁ、ゴミ屋敷になった実家についてはこれまでにもたくさんの記事を書いたので割愛するとして、余命3カ月と宣告された父とどう向き合って良いか戸惑う日々だった。
いや、刻一刻と3カ月のリミットは迫ってくる。戸惑っている時間はない。
残された時間が短いと知って、わたしは生活のすべてを父に全振りすることにした。全部でもないか…半分…半振りです。
半振り、つまり半分は通常通りの自宅での生活、半分は実家での通勤介護だ。朝は夫のお弁当作りから始まり、父の介護食の用意、実家に着いたら掃除、洗濯、買い出し…とめまぐるしい生活が始まった。
それだけなら、まだ良い。
訪問の先生から悪化する病状を聞かされる、体が動けなくなることを見越して介護用品の話を聞かさる。いつも頭がクラクラしていた。
泣きたいわけじゃないのに、話を聞いているだけで涙が止まらなくなることもあった。正直、心のバランスを保つのが難しかった。いや、バランスを崩していたと思う。
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そんなとき、友人が「一緒に仕事をしない?」と声を掛けてくれた。コロナ禍で仕事をしていなかったわたしにとって、とてもとてもありがたい言葉だった。
だけど、沼の底にいるように、全ての色を失っていたわたし。友人が任せてくれる仕事に応えられる自信がなかった。
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そして、父を見送って数カ月が経ち、これからその友人に会う。
今日が新しい船出になることを願う。