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ハウスクリーニングの闇とこれからのミッション【ゴミ屋敷からのSOS】#9

ハウスクリーニングを依頼して、なんとなく綺麗になった実家。”なんとなく”というのは、契約では掃除してくれるはずだったトイレはほぼ手つかず、部屋の壁も傷みがあるため、「できない」と言われたためだ。

それから、「床のコーティングをするから1時間くらい外に出ていて」と言われて業者に鍵を預けたが、帰ってきてみても何もコーティングされた形跡はなかった。むしろ、業務用洗剤が飛び散った跡が乾燥しはじめて、うす汚れていた。

それを指摘しようにも、業者はさっさと道具を片付けていて、早々に帰りたい様子。一通りの掃除を終えて、「気になるところ、あります?」とは聞いてくれたが、すでに掃除道具はないじゃないか。契約と違う。”女だから”と足元を見られているようで、腹が立った。

とはいえ、なんとなくは綺麗になった。うん、なんとなく。



このときのわたしのミッションは、父が退院するまでに部屋を綺麗にすること。つまり、介護用ベッドを置き、生活に困らないように水回りを綺麗にすることが優先だった。だから、これから寝室となるであろう部屋(かつてのダイニング)だけ、ひとまず綺麗にして、荷物はすべて他の部屋(かつての子供部屋と寝室)に押し込むことにした。

それらの荷物は今も残っている。いつか片づけねばなるまい。トホホホホ。

物が無くなった部屋。絨毯の下からは、また小銭が出てきそうだ。しかし、ゴミ屋敷から出てくるお金は、キラッと光ったりはしない。まるで古銭のように渋い輝きを放っているから、「お金だ、イェーイ」とはならないのだ。

お金が発見されることにも慣れたわたしは、何の期待もせずに絨毯を持ち上げた。すると、

メリメリメリメリッと嫌な音がした。


わたしが怪力なわけではない。数十年のほこりと湿気。劣化した絨毯は天地を裂くように真っ二つになった。わたしが子供の頃から同じ絨毯を使っているんだもの。そりゃ、絨毯も悲鳴をあげるわけだ。というか、


絨毯の下は畳だった!
知らなかった!
初めて見た!


もう、だからいっそ。うれしい!たのしい!だいすき!のノリでペタンコになった畳を張り替えることにした。

編集後記:やっぱりね、畳の隙間からもご丁寧にお金が出てまいりました。収穫は50円玉が1枚でしたが、渋い渋い輝きは和同開珎級でした。あと、わたしが契約したハウスクリーング業者さんは正直あんまりでしたが、良い業者さんも沢山いると思います。相見積もりが大事ですね、きっと。

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