紙おむつの失敗談【介護録】

泣きたかった。こうやってだんだん弱っていくのだろう。

普段から使っている紙おむつ用のパッドがうまく外せなかったようで、トイレの中には紙パッドの中身、ポリマーが散乱していた。

これがなかなか落ちないのだ。

拭いても拭いてもねりねりと広がっていく。おしっこを吸っているわけだから広がっては困るのだけど。

──泣きたかった。こうやってだんだん弱っていくのだろう。

紙パンツに貼ってあるマジックテープを剥がす、そんな単純なこともできなくなっていくのだ。

「今度同じようになったら、無理に剥がさないでわたしを呼んで」

そう約束して、思わず泣いてしまった。泣きたいのは父も同じだったかもしれないけれど。

余談ですが、高吸水ポリマーは塩で分解できるみたいです。間違って紙おむつを洗濯しちゃった！なんて時は、塩を入れると溶けるそうです。