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【遺品整理】よみがえるポルターガイスト

欲しい人は欲しいかもゾーン”にはアイヌの人形、木彫りの熊、塗りのお膳に2体のこけしが並んでいた。

すぐにでも民芸店が始められそうだ。

子供のころ、家にあってもなんとも思わなかったのに今見るとカワイイ。

「持って帰ろうかな」

そう呟くわたしに、姉は『あー、こっちのこけしはアンタが飛んだって言ってたやつだね』


「え…」


──飛んだって?

点々がいくつか頭の中に流れた次の瞬間、

……………………………………………………思い出した。

子供の頃、わたしはよく金縛りにあっていた。ある晩も金縛りにあって、パチッと目だけが開いた。怖くなって叫ぼうとしても、声は出ない。

隣の部屋では姉がまだ起きている。

必至で叫んでみるが一向に声は出ない。そうこうしているうちに、部屋に置いてある物がフワフワと浮かび始めた。まるで踊っているようにフワフワと。

その中にあのこけしもいたわけだ。すっかり忘れていた。


──カワイイけれど、持って帰るのはやめておこうかな。

後日談:幼少期、よく金縛りにあっていたわたしですが、北海道に住む祖父が亡くなってからピタッと金縛りにあうことがなくなりました。何となく、祖父が守ってくれているのかなと思っています。


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