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今になって思えば。【末期がん】

父がお骨となって、2カ月と少し。病気が分かってからは、まだ半年も経っていない。

亡くなってから時間が経ってきたからか、最近、遺影を見るたびに「病気に早く気づいていれば…」と思う。


遺影の写真は5年くらい前のものだろうか。飲み仲間に囲まれた笑顔の写真を選んだ。顔はふっくらとして、顔色も良い。

それから2年くらい経って、喜寿のお祝いの集合写真を撮った。今から3年ほど前のことだ。この時、父はかなりご機嫌だった。いつもより日本酒の量は少なかったのに、足元がおぼつかなかった。お酒に強い父だから、「…あれ?」と思ったりもした。

出来上がった写真は、遺影として飾っている5年前の写真に比べると明らかに痩せている。お酒を飲んでいたのに、顔色も良くない。

今になって思えば。


今になって思えば、外出が減っていた。

今になって思えば、食欲が減っていた。

今になって思えば、顔色もどこか悪かった。


今になって思えば、あれが兆候だったのかな…と思うことがたくさんある。

今になって思えば。

編集後記:病院に行って、と言っても素直に行く父ではなかったけれど、今になって思えば、娘の権限で病院に連れて行くべきだったかな…とも思います。逆に、病院に行かなかったからこそ、家で看取ることができたのかな…とも思うのです。



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