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日々の徒然

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父の介護のこと、亡くなってからのこと、わたしのこと。末期がんの父を自宅で介護していた日々を綴っています。
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#お墓

父からの卒業。

父からの卒業。

春だな~…なんて、ほのぼのと呟ける日がくるとは思わなかった。ほんの数カ月前までは。





今年の1月に他界した父。昨年の9月に病気がわかり、入院。そして、10月に退院してから、その介護をまるっと担っていたわたしは、「わたしの代表作は父の介護です!」と宣言するがごとく、父一色の日常を送っていた。

父が他界して、もうすぐ3か月。お墓のことや相続手続きのことで、何なら今も「わたしの代表作は父

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桜満開の実家よりお届けしています。【毎日投稿100日目】

桜満開の実家よりお届けしています。【毎日投稿100日目】

今日で投稿100日目。この記事は99日目の昨日のわたしが書いている。場所は、noteを綴るきっかけとなった実家で。





数週間ほど訪れていなかった実家へとやって来た。久しぶりというわけではないのに、玄関を開けると懐かしいにおいがした。

決して良い香りではないから、においなのだと思う。

お日様に照らされた畳の青いにおい。少しナフタリンのにおいも混じって、介護用品なのか消毒薬のようなに

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ハウスクリーニングの闇とこれからのミッション【ゴミ屋敷からのSOS】#9

ハウスクリーニングの闇とこれからのミッション【ゴミ屋敷からのSOS】#9

ハウスクリーニングを依頼して、なんとなく綺麗になった実家。”なんとなく”というのは、契約では掃除してくれるはずだったトイレはほぼ手つかず、部屋の壁も傷みがあるため、「できない」と言われたためだ。

それから、「床のコーティングをするから1時間くらい外に出ていて」と言われて業者に鍵を預けたが、帰ってきてみても何もコーティングされた形跡はなかった。むしろ、業務用洗剤が飛び散った跡が乾燥しはじめて、うす

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とある3つのファンタジー【陽気なおじさんを召還し、父の思い出話を聞く】

とある3つのファンタジー【陽気なおじさんを召還し、父の思い出話を聞く】

https://note.com/honozikaigoroku/n/n172e1571a987

父のことを”ちゃん”づけで呼ぶのは、もはやこのおじさんくらいだろう。青春時代を高度成長期とともに過ごし、日本経済が右肩上がりであったバブル期をともに駆け抜けた同志。さぞかし色鮮やかな思い出話が聞けるに違いない。

そう意気込んだのも、つ・か・の・ま。全ては壮大なファンタジーであってほしいと今は願う。

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今日もnote、明日もきっとnote、note!【毎日投稿】

今日もnote、明日もきっとnote、note!【毎日投稿】

父が亡くなる1ヶ月ほど前から投稿を始めた、わたしのnote。父の生前に書きためた記事は約40本。そのストックのおかげで、父が亡くなった日も、葬儀の日も、細々と投稿を続けてこられた。そして、間もなく100本めの記事の投稿を迎える。

100本。つまり、約半数以上が父の死後に書いた記事となるわけだ。

介護していた時のこと、父の言葉や思い出。曖昧な記憶をたどって書くことも多い。しかし、投稿するかしない

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限界突破、家主を失ったトイレ【ゴミ屋敷からのSOS】#8

限界突破、家主を失ったトイレ【ゴミ屋敷からのSOS】#8

 

もう限界だった。

・・・

トイレに行く度にコンビニや近くの飲食店に足を運ぶ。お金もかかるし、労力もかかる。意を決して、開かずのトイレの扉を開けてみることにした。

──無理。

とっさに、そう悟った。スラム街の公衆便所。もはや、そう呼ぶのに相応しいほどにまで実家のトイレは朽ち果ててしまった。

かつて、わたしの実家のトイレは最新式のウォシュレットが設置され、同級生の間でも羨望の的だった。

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いつでも酩酊状態は酒呑みの流儀。

いつでも酩酊状態は酒呑みの流儀。

つい今しがた、亡くなった父の友人から電話があった。子供の頃、わたしもよく遊んでもらった気の良いおじさんだ。酒に酔った赤ら顔、目尻の下がる優しい笑顔が今でも思い出される。

コロナ禍で身内のみの葬儀だったので、お線香だけでも…という話になっていた。だから、これまでにも何度かそのおじさんから電話をもらっていた。

しかし、予定がなかなか決まらない。というか、「では今度伺います~」「またお元気で~」なん

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最近のいちばんの戦利品は
お墓でもらったエコバッグ。

ほぼ毎日使ってる…

子育ての終わりと、介護の終わり。

子育ての終わりと、介護の終わり。

父が亡くなった日…それから10日ほど経って、葬儀が執り行われた。実は、その間にわたしの娘の成人式があった。たった一人の我が娘の成人式。

父死亡、成人式、葬儀……なんという並び。

前撮りも済ませていたし、成人式当日は列席する予定はなかった。だから、特にバタバタすることもなかったのだが、数年経ってからこの数日のことを思い出したら、「あぁ、バタバタしてて何も覚えてないわ」なんて言っていそうだ。

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金色の目のねこ【続・にゃんにゃんにゃんの日】

金色の目のねこ【続・にゃんにゃんにゃんの日】

『もうやめな~』

と言われても、やめられないのだ。

何がって、買い物ついでに近所のペットショップを覗くことを───。

「もうやめな」と言っていた娘の予感は的中してしまった。どうしようもなく心惹かれるねこに、また出会ってしまった。

去年のニャンニャンニャンの日にお別れ(勝手にそう思っている)したうつろな目のねこは元気に暮らしているだろうか。あの日以来、わたしはペットショップを覗くのは少し遠慮

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これでいいのだ、我が家のご仏前スタイル

これでいいのだ、我が家のご仏前スタイル

チーーンして、

ナムナムして、

ちぃーーーッス。

これが我が家のご仏前スタイルだ。

早いもので父の介護生活の卒業を迎えてから2ヶ月が経った。コロナ禍のおり、葬儀の日程はスムーズに取り決めることができず、約10日程の時間を置いて父は荼毘に伏された。

だから、まだ何となく2ヶ月という月日が経ったようには思えない。それでもリビングに鎮座するお骨は、まるで昔からあったようにそこに馴染んでいる。左

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役所では教えてくれない話。【死んだ後の手続き】

役所では教えてくれない話。【死んだ後の手続き】

役所は聞いたことには答えてくれるけれど、先回りして教えてくれたりは…あんまりしない。あんまり、ね。

死後の手続き…遺品整理やら、登記やらで、このところのわたしはあっぷあっぷしている。必要な情報を問合わせなくても、役所の方から「ささ、どーぞどーぞ」と差し出してくれたら、どんなに良いか…とため息をつく日々だ。

昨日の投稿で高額医療費の還付(高額療養費支給申請)について書いたが、その申請を出すまでに

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毎日投稿70日を達成して、いま欲求を吐き出す。

70日の連続投稿(昨日の投稿が確か70日目でした)ができた記念に、文章を書く人の立場で、今日の記事を書いてみたいと思います。

文章を書いていると、使ってみたいフレーズに出会うことがある。

わたしの前職は調査関係の報告書を作成するお仕事でした。ねちっこく、こと細かく事実が綴られた文章は、報告書として現場に届けられ、接客業の人材教育用の資料として活用されていました。

教材として使われるものだから

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生まれるより死ぬ方が大変と思った話。

生まれるより死ぬ方が大変と思った話。

結婚より離婚が大変、生まれるより死ぬ方が大変…そんなことを考えていた。いや、離婚したことはないけど「離婚の方が大変よ~」なんて聞くもんですから、つい。

それから生まれるより死ぬ方が大変、と思ったのは書類関係の話。

子供が生まれたとき、病院の手続きやなんかはあったかもしれないけれど、出生届を出せば役所に行くことなんてなかった。(子供を産んだのが数十年前になるので記憶は曖昧😅)

それに比べて、

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