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日々の徒然

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父の介護のこと、亡くなってからのこと、わたしのこと。末期がんの父を自宅で介護していた日々を綴っています。
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#ショートショート

まぁまぁの料理

まぁまぁの料理

味に厳しい父親に料理を作るのは至難だった。

初めのうちは気張った料理を作ってみたりもしたが、退院して間もない胃腸はそれらを受け付けない様子で、ごく一般的な家庭料理が食卓に並ぶこととなった。というより、もともと料理に興味のないわたしのレパートリーはあっという間に尽きた。

そして、毎日の献立を記録したメモ帳には、父の好物である肉じゃが、すきやき、おでんが頻出することとなる。

味付けにはムラがある

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めんつゆの季節

めんつゆの季節

──美味しいめんつゆ買っといて

そんな一言で今日も介護生活が始まった。父がまだ元気だった時、高級スーパーで買ったというめんつゆ。てっきり父のお気に入りだと思って料理に使っていたのだが、どうやらお気に召さないようだった。

残っているのに、もったいない。しかしお気に召さないのなら致し方ない。買い物に行くとしよう。

どのメーカーが良いの?と問うと、『ニンベン』と一言。案外ふつうの答えが返ってきた。

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ゾウと出会う

ゾウと出会う

父と娘の介護において
下の世話は悩ましいトピックであった。

このところ、父はお腹の調子が良くないようで、お手洗いから出てくるなりケツを拭いてくれと言うのだ。

…意を決してケツと対峙する。

子供のそれとは違う。しわしわのケツだ。

『ゾウのお尻みたい!』
が初めて対峙する父のケツの感想であった。

──いや、ちょっと待ってくれ。

私の一番好きな動物はゾウなのだ。

コロナが終息したら
タイに

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味のわかないヤツ

薬の影響か、

父は香りや味を感じにくいようだった。

インスタントコーヒーを

ガブガブ飲んでいるわたしの背中に視線が刺さる。

──味のわからないヤツめ
とでも言われている気分だった。

この頃、時を同じくして

友人が自家焙煎の珈琲豆の販売を始めた。

──そういえば実家にはコーヒーミルがあったはず

翌朝、わたしは友人が焙煎した珈琲豆と

フレンチプレスを持って家を出た。

実家に着き食器

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