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ほのじ介護録/余命3カ月の父とわたしの場合
2022年1月31日 10:51
味が落ちたのか俺の舌が落ちたのか──うなぎを食べて、そう呟く父の背中には哀愁が漂っていた。今日はただそれだけの話。
2022年1月30日 13:02
父と箱根駅伝を見に行くのは、ここ数年、正月の恒例行事になっていた。わたしはスポーツはあまり興味がないし、得意な方でもない。だから、父と野球の中継を見たり、サッカーの話題をするのはいつも姉の役割だった。それでも、駅伝だけは違った。駅伝のコースの近くに住んでいるから──そんな理由ではあるが、唯一、箱根駅伝がわたしのスポーツとの接点であり、一緒に見に行くのが親孝行になって(少なくともわた
2022年1月29日 12:53
昼ごはんに合わせて実家へ行って、昼ごはん、夜ごはん、次の日の朝ごはんを用意する。父が退院してからのわたしの生活はそんな感じだった。しかし、退院して2ヶ月になる頃、急激に食欲が落ちて、果物をときどき食べるくらいになった。目を覚ますことも少なくなってしまった。洗濯が終わると、特にすることはない。できることと言ったらときどき父の体の向きを変えて、床ずれができないようにするだけ。──こ