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思い出空間価格


用事があり、久しぶりに銀座に行った。
23区内で私は銀座や有楽町、日本橋、白金台らへんのレトロで高級感のある街が好きだ。
いつかそこら辺に住むのは夢でもある。
ただディズニーランドで働くと夢が壊れるみたいな、たまに行くからいいのかなみたいな、そんな気持ちもある。

用事はすぐに終わり、まだ午前中だったのでtiktokで前におすすめに流れてきたカフェに行こうとてくてく歩いていた。
銀座はみーんな綺麗な人ばっかで、美味しそうなバターの香りのお店が沢山あって、キラキラしたハイブランド店と、お金持ちのおばちゃんが着てそうなゴテゴテの服が売ってるお店が並んでる。

途中、「あの花柄の刺繍の服可愛い!」と思ってお店に入ったら私より2回りくらい年上のお姉様方がポツポツと居たので少し恥ずかしくなり服を見るフリをしてゆっくりと店を出た。

お目当てのお店はやっぱりTikTokでバズってるだけあり、三連休のド真ん中のお昼前はやっぱり並んでいた。
Uターンしてまた近場のカフェをGoogleマップで調べていたら、見覚えのあるドラックストアを見つけた。
私がUber eatsで徒歩配達をしていた時、そのドラックストアが入ったビルの系列の飲食店によく商品を受け取りに行っていた場所だった。

もう3年くらい前のことなので入っているお店も何店舗か変わっているようだった
懐かしいなーと思いながら眺めていたら、ふと上の階の喫茶店に目が入った。
雰囲気も良さそうだったのでそこに入ることにした。

少し背筋を伸ばして「強いバージョン」の私になってからお店に入った。
「休日なので90分制です」という説明を受けウェイトレスさんが席に案内してくれた。
私は大好きなホイップクリームが乗ったウィンナーコーヒーを注文した。一杯なんと1210円!

運ばれてきたウィンナーコーヒーは、思っていた3倍小さく、鉄製のカップに入ったブラックコーヒーの上にふわっとしたホイップクリームとその上には薄ピンクのバラの形をした少し硬めのクリーム?が乗っかっていた。
まぁ確かに可愛いけど、、、これで1200円かぁ
私は大の「お得」好きなので普段はそんなお高めのお店には入らない。
貧乏性だなんて失礼な言葉もあるけれど、私は安い値段で良いものを見つけた時のあのお得な気持ちが好きなんです。半額シールが好きなんです。

しかも少し高めの価格帯の飲食店でアルバイトを
していた時、「一杯1200円のお茶をほんの少しグラスに注いで提供する」という工程を行っていた側なので、裏側を知ってしまっていた。だから余計高く感じてしまい、いつも「まぁまたいつか来ればいいか」と諦めてしまう。
でも最近少し頭の中が騒がしかった私は、少しここで休憩したい気分だった。

読みたい本がたくさん溜まっていたけど、まずは去年から買い始めた年始に発売されるゲッターズの占いの本を読んで2025年の運勢をチェックした。
「ほーほーなるほど、上半期は攻めの姿勢でいけと、でも私は何を攻めるんだ?」とか色々心の中で独り言を呟いていたけど大体良いことや目標が浮かんできて少しワクワクした。

1時間くらい経ち次の本を読もうとしていた頃、2つ飛んだ隣の席に二人組の女性が来店した。
顔はあまり見れなかったけれど、和装をしていて何かこの辺で仕事をしているような方々だった。
大体私より10歳くらい上のお姉さんだった。
そのうちの一人の方の艶のある声にゆったりとした話口調、その上品さに私は本を読みながらもついつい耳を立てておふたりの会話を聞いてしまった。
私は街中でも綺麗な女性や男性を見かけるとつい目で追ってしまう。それはお顔に限らずファッションやスタイル、声、香りなど様々で自分でも気持ち悪いと思うがやっぱり気になるのだ。
私は話したいことがあるとつい早口になったり声が大きくなってしまうところがあるので、このお姉さんを見習おうと心の中で誓った。

「本に集中」とまた読み始めたが「お友達が多いといいわよね、あの人にはあの話をしようとか、色々思い浮かんできて楽しいのよね」という会話が耳に入ってきた。私は友達関係は狭く深くタイプで仲の良い人には近況のことは全部話したくなっちゃうので、その余裕が羨ましくなった。

「私も10年もしたらそうなれてるのかなぁ」なんて考えながら本にまた戻ったら2ページしか進んでいないことに気づいた。

あっという間に90分が経ちそうになったので「これって声かけられるのかな?」とか考えながら伝票を持っていった。

「自分の機嫌は自分で取る」最近よく聞く言葉だけど、意外と自分も知らない自分のご機嫌スイッチはまだまだあるのかもしれない。

余裕のある大人の女性を目指して自分のご機嫌スイッチを探しに今年は行動しようと思う。


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