小さなコミュニティで生まれる音楽とか仕事とか-前編

リビングにずらりと並ぶ機材。

「DTM 部屋」で検索したら出てきそうな光景が広がっていた。

先日、私は人生で初めてレコーディングというものを体験した。

これまで音楽とは触れ合ってきたものの、部活やサークルでコピーバンドをやるくらいだった。

ひっそりとオリジナル曲を作り始めたのはいつからだったかあまり覚えていないけれど、それを表に出すことになるなんて当時は思ってもみなかった。

隣の部屋に入ると、防音対策がされたボーカルブースがあった。

普通の家の中にこんな設備があるなんておもしろいなあ、と思いながら、しばらく周囲を見回していた。

この家に住む三人は、バンドを組んでいる。

バンドメンバーでシェアハウスをしているのだ。

そして、レコーディング設備があることや、レッスンをやっている人がいることから、様々な人たちが出入りしている。

私もその一人だった。

レコーディングの休憩中、一人が電子ドラムを叩き始めると、一人がアコースティックギターを弾き始めた。

自然とセッションが始まる。

私は微かに体揺らしながら、ゆったりとした気持ちでそれを聴いていた。

音楽って本来こうやって、自然に、暮らしの中で生まれるもなんじゃないかなあ、とか頭の中でぼそぼそ語る自分が出てきた。

少しだけ、恥ずかしくなった。

後編はこちら

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。