GPZ900R A16整備やりなおし
1年ちょっと前に納車された、念願のGPZ900Rファイナル・エディション。もっぱら投機目的だったんだけど、調子維持もしなきゃだからちょこちょこ乗っていた。年間300キロ弱。でも、納車直後から微妙に調子が悪かった。
1、吹け上がりが悪い。3000回転あたりで強烈な谷間。
2、低速でフロントブレーキをかけると、ホイールの回転に合わせて強くかかるところがある。
3、ステアリングステムだと思うけど、ブレーキング時たまに「コツン」と音がする。
気になるのはこの3点。ちなみに、納車後一週間で一度1の症状を確認してもらうべく購入店に持ち込んでいるんだけど、「古いキャブ車なのでそのくらいで普通です」だそうで、なんならちょっと鼻で笑われるような雰囲気。「そんなわけねーだろ。こっちは古いキャブ車しか乗ってないんだし、不調かどうかなんて分かるわ」と思ったけど、しぶしぶ作業されるのも嫌なので持ち帰った。キャブのセッティング不良だと思ってたし、そこまで困るほどの症状ではなかったので、「そのうちやればいいや」と。他の2つも、「うーん、気になるけど急ぐほどでは……」くらいの感じ。
で、調子維持のために1年で300キロ弱乗ったのだけど、年末あたりに1の症状の悪化を確信。その時点で「もしかしてタンクが錆びてるのでは」と、かなり疑った。セッティングミスなら、悪いなりに安定しているので、この短期間で悪化することはない。これはキャブになにか異物が溜まっていっているに違いない、という発想。
そんなわけで、GPZ900Rに強い、八王子の友人のショップ〈Shop Mellows〉を召喚し、持っていってもらった。
すると、初日から届く写真付きの作業レポートによると……やっぱタンク錆びてた。キャブからもボロボロと錆が出現。俺、購入店に現車がとどいたとき、真っ先に「タンクの錆はだいじょぶですか?」って確認して、だいじょぶってお墨付きもらってたんだけどなあ。フューエルセンサーなんかは、もう沈没船レベルの汚さ。取り外された形跡もナシ。自宅では屋内保管のうえに常時満タンにしていたので、ウチで錆びたとは考えにくい。
そして「フロントフォークも、そろそろ漏れます」と。うそーん……さすがにそこはちゃんとオーバーホールされてるだろ。長期保管車両だったんだし、何もなくてもやるとこやぞ。と思ったけど、写真を見てたらダストシールが割れている。ついでにスライドメタルは要交換レベルで摩耗。ブレーキング時の異音の正体、このへんかもな。そしてステムの上あたりには点錆び。友人いわく「これはオーバーホール済みとは言わない」とのこと。めまいがした。
他にも、ホース類は取り回しミスで折れたり潰れたりしている。タンクキャップははずされた形跡なく、フローパイプの入口が完全に詰まっている。プラグコードは締め付け不足で緩んでいる。ついでに、エンジンOH済のバイクなんだけど2番3番の圧縮が低く、友人は「組みにくい内側のピストンリングを組むとき、負荷をかけすぎたんでしょう。下手くそが組むとこうなります」だそう。とりあえず許容範囲内ではあるよう。
というわけで、タンクの錆取り&コーティング、キャブとフォークのオーバーホールをひとまず依頼。ブレーキ周りはこれからバラしてチェックだけど、このぶんだとここもなんか出そうだな……。
契約から納車まで9ヶ月。けっこうな納車整備費用も取っておいて、購入店なにしてたん? 整備士も人間だから、作業にミスがあるのはしょうがない。そこは許容する。でも、適当なのは駄目だよ。1年乗っちゃったし、もう購入店の責任は追及できないから縁切りだけで済ませるけど、ひでえなあほんと。
ともあれ友人いわく「これは軽症の部類ですよ。ちゃんとやればすごくよくなります」だそうで、そこはよかった。そして、友人の仕事ぶりの繊細さにも改めて敬服。次からはもうここで買おう。ていうか、1台買った。