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飲食業を開業したい全ての人へ

  • 経歴

  • 飲食業と経営

  • 計算と現実

  • 儲ける事を考えると

  • 複合的な思考回路

  • 終わりに

経歴

幼少期 特になりたいものもなく、習い事が嫌いだったため独学で様々なことにトライする日々 特段テストの点が良くもなければ悪くもなく、運動神経もそれなりな子供だった。大人になって「なりたい職業なんだった?」なんて質問されても全く出てこない。何になりたかったのだろう。

高校生から携帯電話や洋服を親にケチつけられるのが嫌で、バイトを始めたのがきっかけだが、高校生の飲食業に入る理由は「賄い」があるからだ。
毎日ラーメンやチャーハンなど山盛り食べていて1日の食事回数は8回ほどだった。あの頃は太りもせずによくモテた。ラッキーな人生にも程がある。

この頃から飲食で働けば食べ物に困らないぞ!と安易な考えでひたすら飲食業でバイトをした。結局、進学は専門学校へ行ったが調理ではなく、建築関係に進んだが勉強する中で「やはり飲食だ!」と卒業するや否や和食で働き始める事になるのである。

気がつけば多少の右往左往はあるものの、飲食業をひた走り現在に至る。

飲食業と経営

不思議なことに飲食業とは時間は長いし、休みは少ないし、給料も低い。不満だってたくさんあったが何故かやめられなかった。理由を紐解いてみると飲食は生活の(いや、人生の)彩りを飾る重要なファクター。そんな職業にいると沢山の人の笑顔に触れ合える。金持ち貧乏でも、子供でも大人でも美味いもん食えば笑顔になるのは万国共通の事と言える、つまりお客さんは生きとし生けるもの全てということになる
ただそれだけ。なのだが、そんな些細な事がビジネスの核には必要なものなのではないかと感じている。

調理をし、接客しと現場にいるとそれはそれは大変で頭も使うが楽しいことの連続だ。色々なお客さんと向き合い料理屋お酒などを提供し会話し、その全てが飲食の醍醐味と言えるだろう。大半の飲食業を独立開業する人間はそんな現場出身の方が一念発起し、「自分の店で自分の料理を出すぞ!」と開業していることだろう。当然美味しい料理は職人技であり、今日明日の修行でできるものではない。料理人は日夜新たなメニューを考え試行錯誤し没頭する。そしてお客さんを満足させる商品を生み出すのである。

ところが経営に関して学ぶ、料理人は少ない。料理人どころか飲食店で働く人のなかで経営まで学んで独立していく人はほぼ0に近いだろう。当然店長クラスや料理長クラスの人は数字も把握しているのだろうが、数字の把握と経営は全く別物ということを、独立して初めて知ることとなる。
そして経営者レベル0でお店をスタートしていく。そんな筆者である私もそんな一人である。

計算と現実

独立する人のほとんどは借入をするであろう。そんな借入の際に最初のお仕事として「創業計画書」を書くことからスタートする。書き方なんかはネットで検索するばそれらしい事が山ほど記事に書いてあるのでみなさんも悩んだらそちらをチェックしてみてほしいのだが、問題はその創業計画を書くときに現実的ではない計算をすることがあるのではないかと感じることが多々見受けられる。どういった事が主な事かと言うと下記の計算式だ。

席数×回転数×客単価×営業日数=売上

仮1)15席×3回転×単価2000円×週6(24日稼働)=216万
こういった計算を記入し1年後、3年後、5年後などの推移を記入していく。確かに間違ってもない計算式だが、この計算には未確定要素がある。
席の構成はわからないがテーブル席4人がけに4人がピタッと入ることはなかなか難しい。3回転しているが満席ではなく歯抜け状態のテーブルがあると仮定しなければならない。それを踏まえると以下のようになる。

仮2)15席×3回転×着席率70%×2000円×24日稼働=1512000
実に最初の仮定との開きは588000円 こんなに違うと経営が困難になりそうな予感はこの時点で気が付きますね。

現実回転するはず!と思っていても計算通りにはならないことが多く、融資のために描く経営の右肩上がりの方程式はあくまでイメージ図であって、実際はそう簡単に右肩上がりにならないのが現実的なところだろう。

儲けることを考えると

商売をやろうとして儲けたくない人なんてこの世にいないだろう。商売をするという事は儲けを出す為に勝負する事なのだ。当たり前だといえば当たり前だが、「儲けを出す」文字にするとたった5文字のその当たり前を生み出す事が個人飲食店で一番難しい問題かもしれない。当然、儲けれないわけではないのだが、技術レベルが高くても儲けれるかどうかは別の問題である。
そして、技術がなくても考え方やアプローチの仕方で大きく成功する職業でもあることは間違いない。

しかしながら、飲食店経営を始める飲食業出身者は儲けるという事においてかなり苦手な部類の問題に感じる。それは自分が料理長であったり、マスター、大将といった存在で現場の最前線に立ち続けるからなのではないか?と考えてみる事にした。(それまで筆者もその1人だった)

考え始めると、気が付く事が出てきた。これは人にもよるので体感でしかないが、他の店舗さんなど見ていても結局同じなんじゃないかと思うことがある。それは以下の通りだ。
・現場に立つことで部下が育ちにくい
・仮に育った部下ができたとしても部下(右腕、左腕を期待している人間)の表現の場を大将が取ってしまい、結果独立する形になる。大将はまた振り出しに戻る
・大将が休めない、怪我や病気できない
・給料を上げることを躊躇しがち
・自分がこれだけやってるからと、部下の頑張りを評価しづらい   など
儲ける為に!と思って考えても結果うまくいかない負のスパイラルに入って迷宮入りしそうな課題が個人店には多くあり、そんな負のスパイラルから脱出する方法を見つける事が儲ける一歩目なのかもしれない。

複合的な思考回路

今日ここにつらつら書いた事は、1つの考え方に過ぎないが今まで自分が体感したことと、現実的に経営をするにあたり必要!と感じたことを併せて感んがえた結果を書いたものだ。

経営者で必要なスキルはなんですか?という質問はよく聞きがちな事だが、「人を見る目」だったり「決断力」、「人望」などよく聞く話だ。確かに間違ってないのだが、結局なんなの?才能?なんて感じてる人も多いのではないだろうか。しかしながらそれは才能ではないと筆者は考える。もしそれが才能なら才能ある人間でないと経営者になれない事になってしまう。そんな悲観的な事は置いといて、一番必要な事は「誰よりも好奇心を持つ」という事に尽きる。結果が先ほど書いた「人を見る目」、「決断力」、「人望」に繋がっていくのだと思う。才能があるとすれば「何にでも興味を持つ」という事なのかもしれない。これは、強制的にやるぞ!と思えばできることでもある。

組織を大きくしたい。スタッフの給料を上げたい。休みを多くしたい。などそんな事はほとんどの経営者がやりたいこと・やるべきことであることは間違いないが、そういったことを叶えるために経営判断をどうするか、何をするか。考える事に集中する時間が必要なのは間違いない。今こうしてこのnoteを綴っているこの時間はそういった自分の頭の中との向き合いにもなっている。逆算して考えると、現場で大将やマスターとして考える事はどうしても提供するもののことを考えがちだ。その中には当然原価などの計算やオペレーションなども考えていて、経営とも直結するものではあるが、経営判断とは少し違っているように思う。現場に出て大将をしながら、経営者もするのは単に2人分(それ以上)の働きをする覚悟と体力と頭の回転などが求められる。そんな人も沢山いるだろう。最初はできなくても、どんどんできるようになる人もいるだろう。しかし、今から独立開業していきたい人にとって誰しもが2人分以上の働きができるものではないと思うし、それができないと経営できないというものでもない。大切なのは、1人1人が役割をしっかりこなした時に儲かる組織の仕組みを作れるかどうか。という事を肝に命じてこれからの新たなスタートを切ってほしい。

終わりに

文頭で飲食業にひた走りと書いたが、実は若干違っている。独立するきっかけは結婚なのだが、最初に経営者になったその時は妻の美容室の立ち上げがスタートである。美容師はしたことないが色々なお店のリサーチをし、お店の図面を自分でひき、電源の位置や、照明器具の指定まで行った。そもそも元はインテリアデザイン科を卒業し、建築の事は少し頭の中に入っているのでそこまで難しくなかったが、様々な経験や学びが自分のオリジナルを生み出すことや、経営判断する際の理由になるのだと改めて感じている。あらゆる分野に興味を持ち、調べ、実践し、中身をわかっているからこそ失敗しない経営判断ができる材料を最初からある程度持ち合わせていたり、答えを導き出す手助けとなることをここで強く言いたい。そして現場に立ち続け、うまくいかない日々や売上が伸びず経営難になったりと大変な時期も経験しやっと何か形が見えたぞ!と思った矢先のコロナ禍という、踏んだり蹴ったりな中で、止まらず前だけを見てひたすら前進した結果、今、個人店から法人化し、セントラルキッチンを増設、お店の改装まで完了させた。これから経営者としての第2章が始まる。これから住んでいる町が、県が、国が。
そこにいるお客さんが楽しんでもらえるようなお店の展開をし続け、経営者としても高見へ登っていく所存だ。うちのスタッフにも将来お店がしたいんです。という人間は少ない。みんなに挑戦してほしいと思っているし、挑戦できる力を持たせてあげれるようなそんな会社でありたいと思う。



金崎一樹

1986年金沢生まれ 36歳 2児と1匹の父
2014年に起業
・2014美容室開業
・2015飲食業開業
・2018動画・写真撮影業開業
・2022飲食・撮影をまとめて法人化
・2022セントラルキッチン開設 製造業スタート
・2022共同経営にてキッチンカーのコンサル会社設立
・2023飲食店フル改装
・2023美容室改装
・2023美容業法人化予定

2023から現場を離れ、コンサル業や新店舗立ち上げ、イベント企画などを通したサポート事業を確立させるべく奮闘中。現場で培った生の声。を武器に
デザインや設計、撮影、商品開発、SNS、経営戦略などを自身の実店舗で実践し生データを元にアプローチを仕掛ける新たな「生コンサル」を武器にあらゆる分野で町が人が楽しくなるものを創造していく業。

同時に北陸唯一の「レンタルおっさん」としても活動中。
お仕事の相談なども初回レンタルおっさんとして1h¥1000-で受付中
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