[本のおはなしvol.22]「じぞうぼん」
まだまだお盆には早い時期でしたが、”本のお話vol.22"は、お盆先取りでお送りしました。
今回取り上げるのは1982年に福音館「かがくのとも」シリーズの中の一つとして出版された『じぞうぼん』
関西地方では、夏休みの終わりを告げる風物詩としても馴染み深い方も多い、地蔵盆のルポのような絵本です。
子どもが主役のお祭り「地蔵盆」
地蔵盆とは、主に近畿地方を中心に8月は23、24日の地蔵菩薩の縁日頃に行われる子どもが主役のお祭りです。
子どもの守り神と言われる地蔵尊をきれいに飾り付け、町内ごとに屋台を組んで花や餅などをお供えし、子どもの無病息災を祈ります。
子どもが主役のお祭りと言われるだけあって、その内容はとっても楽しそう!
金魚すくいに、様々な屋台、ゲームや福引き、盆踊りに肝試し、近所のおばちゃん達の演劇やみんなで食べるカレー。そして極めつきは”ふごおろし”。
なぜか自分が欲しかったおもちゃがそこに!
おじぞうさんは みんなのほしかったものを ちゃんとごぞんじなのやろか
うれしいことや楽しいことが重なることの例えとして、「盆と正月が一緒に来た様」という言葉がありますが、地蔵盆は、そこにクリスマスも加わるくらいの特別な行事なのだなあということがわかります。
生き生きと描かれる『じぞうぼん』の世界
私がこの絵本に出会ったのは、幼稚園時代。福音館の絵本定期購読サービスで届けられた絵本がこちらでした。
関東で育った私は、実際の地蔵盆を体験したことがありません。が、
この本に出会ったお陰で、地蔵盆の存在を知ることが出来ました。
しかも、実際に参加したかのように地蔵盆を身近に感じていた様に思います。その理由は、伊藤秀男さんによる絵と、絵本を通して語られる関西弁がとっても生き生きしているから。
「まちごうたら あかんで。 これは カレー・ライスやないで。
ライス・カレーやがな」
子どもが主役の地蔵盆ですが、そのお世話をしてくれるのは近所の「おっちゃんや、おばちゃん」。伊藤秀男さんによって描かれるおっちゃんおばちゃんは、「こんな人いたいた!」というくらいリアリティーを感じます。
年季を感じるしなやかな動きや、堂に入った浴衣の着こなしが素敵な年配の方が輝いている盆踊りを見ると、若さがもてはやされる昨今の世相は、地域のお祭りが廃れてしまったからかなと思う事があります。
更に、このコロナ渦で、中止が相次いでいる地元のお祭り。
地元の人中心に運営されるお祭りはマニュアルが用意されているわけでもなく、一度途絶えてしまうと復活が難しいと言われます。
そんな現状を考えると、ますますこの絵本で描かれる世界が貴重なものに思えます。
今は絶版になってしまって手に入りにくいですが、ぜひ図書館などで借りて読んでみていただきたいなと思う絵本です。
今週の子守唄は、花火の歌を。
もともとはお盆の行事だったのが始まりとされ、初精霊の供養に花火の火の粉で灯籠焼を行ったものが紀元だと言われている打ち上げ花火。
目の前で見る打ち上げ花火も、遠くで鳴る打ち上げ花火の音も、夏の終わりのどこか感傷的な風情がありますね。
今年は打ち上げ花火見られなかったなあ。来年は見たいなあ。
との願いを込めて。
花火
作詞 井上赳
作曲 下総皖一
ドンとなった花火だ きれいだな
空いっぱいに ひろがった
しだれやなぎが ひろがった
ドンとなったなんびゃく 赤いほし
いちどにかわって あおいほし
もいちどかわって きんのほし
ドンとなった花火だ きれいだな
空いっぱいに ひろがった
しだれやなぎが ひろがった
ドンとなったなんびゃく 赤いほし
いちどにかわって あおいほし
もいちどかわって きんのほし
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