洗脳による強制自殺から逃れた方法
1978年11月18日。
ガイアナのジョーンズタウンで、918人の集団自殺がありました。
ことの発端は、教祖のジム・ジョーンズが全信徒に集団自殺を呼びかけたことでした。
その結果、なんと実際に918人もの人々が自ら命をたってしまったのです。
これは普通の感覚では理解できないことです。
「一緒に自殺しよう」と言われて、それに従うのは普通はありえません。
ですが、教祖のジム・ジョーンズは数々の方法を用いて、自分の思想を信徒に植え付けていきました。
そして、1978年11月18日に、その惨劇は起こってしまったのです。
ところがこの集団自殺から逃れた人がいました。
彼女の名前はダイアン・ルイ。
ジム・ジョーンズは彼女にも同じように、自殺するよう命令しました。
ところが、彼女はその命令を拒み、ジョーンズタウンから抜け出してジャングルに駆け込みました。
なぜ、彼女はジム・ジョーンズの洗脳から逃れられたのか?
それは「ジョーンズからの特別な恩恵を受けることを拒否していた」からです。
彼女が病気で苦しんでいた時、ジョーンズは「特別食」を提供しようとしました。
しかし、彼女はそれを拒みました。
彼女はその時のことをこう語っています。
「一度でも彼からそんな恩恵を受けたら、言うことを聞かなくてはいけなくなるとわかっていました。だから彼には借りを作りたくなかったんです。」
他者から何かを与えられたら自分も同じように何かを与えなければならない、という力が生じる。
これを社会心理学者であるロバート・チャルディーニは「返報性のルール」と呼んでいます。
この返報性のルールは、人間の文化に古くから根ざしている強い力です。
他者に何かを与えてもらったら、お返しとして相手にも何かを与える。
この潜在的なルールがあるから、人間は周りの人たちと調和しながら平和的で協力的なコミュニティを作っていけます。
しかし、ジム・ジョーンズはこのルールを悪用しました。
信徒に特別な恩恵を与え、それによって自分の信念を信徒に押し付けていったのです。
その結果、「一緒に自殺しよう」という要求に918人もの信徒が従ってしまったのです。
今回のお話しは、ロバート・チャルディーニ著「影響力の武器」の中で紹介されています。
この本の中には、この返報性のルールを悪用する人たちから身を守る方法や、その他にも人間が強い影響を受けてしまうルールが紹介されています。
興味があれば、読んでみてくださいね。
ありがとうございました。
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