山野で見られる冬鳥(写真家・山田芳文さん)
低地や山地の林、農耕地や高原の草地、山地の河原(渓流)など、山野で見られる冬鳥は種類も特徴も多彩です。木々が葉を落とす冬は、他の季節よりも観察しやすくなります。写真家・山田芳文さんが撮影された野鳥のグラビアをお楽しみください。(ひととき2021年12月号特集「冬、野の鳥に会う」より一部抜粋してお届けします)
マヒワ
【全長】約13センチ
【見られるエリア】全国
【特徴】オス(写真)の頭部と喉は黒く、全体的に黄色い(メスの色は少し淡い)。スズメよりも小さな冬鳥で、にぎやかに鳴く。群れで飛来し、山野だけでなく木が多い公園でも見られる。
オオマシコ
【全長】約15センチ
【見られるエリア】北海道、本州中部以北
【特徴】オス(写真)は全体的に鮮やかな赤色で、メスは茶色に近い。山野の森林や林縁(林の周縁部。森林の草地や裸地に接する部分)、低木の林に棲む。よく似た鳥にベニマシコがおり、冬になると本州以南で見られる。
コミミズク
【全長】約40センチ
【見られるエリア】全国
【特徴】農耕地や草原などの開けた場所に生息する。全体的に黄褐色、体の下面に黒い褐色の縦縞があり、目は黄色い。コミミズクを含めたフクロウの仲間は夜行性で活動時間は主に夕方だが、日中に見られることも少なくない。
ルリビタキ
【全長】約15センチ
【見られるエリア】九州以北
【特徴】本州や四国、北海道の高地で繁殖し、冬になると低地に下りてくる。単独でなわばりを作って生活するのが特徴。幼鳥のときはオスもメスも褐色だが、オス(写真)は3〜4年で鮮やかな青色になる。
キレンジャク
【全長】約20センチ
【見られるエリア】全国
【特徴】冬鳥として農耕地などに飛来するが、飛来数は年によって変わる。尾羽の付け根、先端が黄色く(写真ではとまっている枝の下に見える)、長い冠羽が特徴。通常群れで行動し、よく似たヒレンジャク(赤色の尾羽を持つ)が混ざることもある。
山田芳文(やまだ・よしふみ)
写真家。ライフワークは「鳥がいる風景写真」。カメラ雑誌やバードウォッチングの専門誌などに作品を発表。著書に『やまがら ちょこちょこ』(文一総合出版)、『SONY α6600 基本&応用撮影ガイド』(技術評論社)などがある。
本誌では、山田芳文さんの美しい冬鳥のグラビアがさらにお楽しみいただけるほか、野鳥研究家の室伏友三さんの案内で、日本にいる野鳥の半数近くと出会える地・熱海を訪れます。鳥が好きな方はもちろん、そうでない方にもぜひおすすめしたい特集です!
▼ひととき2021年12月号をお求めの方はこちら
[特集]冬、野の鳥に会う
[エッセイ] ようこそここへ、冬鳥さん
文・絵=平野恵理子
山田芳文さんのフォトアルバム(1)山野編
[紀行]野の鳥が集う、熱海へ――
[コラム]日本人と野鳥の話
談=安西英明
山田芳文さんのフォトアルバム(2)水辺編
出典:ひととき2021年12月号