「時々の初心」No.60
「そのときそのときに成長した自分がいて、
だから、初心に戻ってはいけないと思うんです…。」
現役時代のイチロー選手が、このようなことを語っていたそうです。
実は、偶然にも、世阿弥が60歳を過ぎたころに書いたといわれる「花鏡」に、同じことが触れられています。
そこには、「時々の初心を忘るべからず」と……。
「その時々にありし風体は、時々の初心なり。それを当芸に一度に持つのは、時々の初心を忘れぬにてはなしや。さてこそ亘りたる為手にてはあるべけれ。然れば、時々の初心を忘るべからず。」
要するに、20代なら20代にしかできないことがあり、
40代には40代にしかできないことがある。
でも、それは20代のときにはできなかったことでもあるわけです。
つまり、人生には、その時々にしかできないベストパフォーマンスがあって、その時々のベストパフォーマンスを初心とすべきであるということななんですね。
感謝