SNSを活かした独自の採用?山崎文栄堂さんに聞いてみた。
本コンテンツはクライアント企業とのコラボレーション企画。
Honmonoが仕事をご一緒する企業のホンネを探る「ホンモノ対談」です。
クライアントワーク、といえば契約して作業して納品をして終わりのイメージが強いですよね?
しかし、非営利団体のHonmonoでは
Honmonoのクリエイティブ力 × 企業のビジネス力を融合し社会をより良くすること。
を大事にしています。
メトログループさんやJTさんなどの社会インフラを支える企業から、赤十字社さん、ユニセフさんのような社会福祉団体、地域を支える地場企業まで。数多くの企業とシゴトをしてきたHonmono。
もちろんいいことやかっこいいことだけではありません。
大変なことや失敗も多くあります。
そんな「シゴト」のホンネを赤裸々に語り合う対談企画です。
今回は中小企業のバックオフィス業務のお役立ち・支援を行う山崎文栄堂さん。
採用に特化した当社のSNSコンサルサービス「SNS採用ゼミ」を導入していただきました。
マイナビやリクナビのような大手就活システムを辞め、独自の集客手法で自社に適した人材と繋がり育成する山崎文栄堂。
その狙いと効果について、Honmonoメンバーのちくあみ氏がお話を伺いました。
ちくあみ
本日はよろしくお願いします。
まずは山崎文栄堂さんについてお聞きしたいと思います。
現在はどのようなビジネスを展開されているんですか?
宮地
はい。当社は今年で創業103年(2022年9月時点)なのですが、創業時と今ではビジネスが大きく変わりました。
当時は文房具店でしたが、現在はアスクルの代理店を基盤に中小企業のバックオフィス支援をビジネスとして展開しております。
ちくあみ
具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?
宮地
はい。例えばオフィスのレイアウト作り、書類整理などのサポートなど。名刺作成や溶解処理なども含め、バックオフィスの生産効率向上をメインにサポートしています。
ちくあみ
なるほど。取り組み自体もかなり幅広いですよね。
宮地
そうですね。
当社のミッションである「人と場が育つフィールドづくりに貢献する」という想いで、既存の枠に囚われずお役立ち活動をしています。
ちくあみ
なるほど。
このように多事業に展開しているのは、最近の動きなんですか?
宮地
そうですね、ここ数年の動きですね。
以前は新規の訪問営業が中心でしたが、今はご縁のある企業様の悩みを聞いて解決するというアプローチが増えました。そうなると自然に「これも山崎文栄堂さんでお願いしたい、相談できるかな?」という流れで事業が増えていきました。
残り2時間で倒産。始まる苦悩と確かな変化。
ちくあみ
なるほど、企業の悩み解決からビジネスが広がっていってるんですね。
とはいえ、以前はザ・新規営業の会社だったとお聞きしました。
そして苦境に立たされたという話も。
このあたりのヒストリーも教えてもらえますか?
宮地
はい。1990年代の経営の危機ですね。当時、町の文房具店だったのですが、文具はどこでも買える世の中になり経営が相当に厳しい状況でした。
資金もそこを突き、あと2時間で会社倒産というところ、今の社長の山崎が銀行中を駆け回って銀行が一行だけ融資してくれたんです。
ちくあみ
倒産まで2時間というのはリアルですね。。
宮地
はい。その1行の融資のおかげでなんとか生きながらえ、その後アスクルの代理店契約を始めました。そこで徐々に売り上げは伸びていったんです。
ちくあみ
今の基盤事業が出来上がったんですね。
宮地
はい。
しかし代表の山崎も幹部社員も売上をあげなきゃいけない、会社を潰してはいけないという経験の恐怖と焦りで。
当時は売上を上げようと「1日飛び込み100件」のような営業スタイルを社員に指示していました。
ちくあみ
まさに体育会営業。。
宮地
そうすると売上は毎年伸びているのですが、離職率も80%を超え、皆が上司を意識して作り笑顔になり。何のためにおしごとをしているのか?を考える機会になりました。
ちくあみ
社内の雰囲気も関係性も悪そうですね
宮地
はい。私は2013年入社ですべてを経験しているわけではないのですが当時はみんな必死で大変だったと聴きました。そんな状況に流石に代表の山崎も専務の若狹も危機感を感じ、経営や考え方を大きくシフトしました。
ちくあみ
なるほど。
とはいえ、その状況から大きく変えるのもかなり大変な気がするのですが。。
宮地
ですね。
その時にワールドユーアカデミーさんが運営している「ヒーローズクラブ」という中小企業団体に出会ったことが良かったと思います。
ここで志経営(ビジョン経営)、社会や社員を大事にするための信念価値や思考を体験と共に変えていくプログラムを地道に学びました。
私たちと同様の組織課題を乗り越えた中小企業の社長同士のコミュニティができたことが、当社の経営層にとっては大きかったです。
ちくあみ
なるほど。そういった背景があったんですね。
今回、お仕事もご一緒させていただきましたが、山崎文栄堂さんの社風も人間関係も今はとてもフラットですもんね。
最近入社された吉田さんはそういった話を聞くと、正直どうなんですか??
吉田
100件営業、受注取れなかったら帰ってこれない。
ドラマの世界だと思いましたね。。
ちくあみ
笑
吉田
私が入社したのは2021年なので、会社がガラッと変わったあとなんですね。
なのでそんな話を聞くと別の会社だと笑
ちくあみ
ですよね。宮地さんは?
宮地
ぎりぎりですが新規営業の時代と被ってますね。
ちくあみ
経験者なんですね笑
当時を知っている方は社内にどのくらいいるんですか?
宮地
そうですね、ざっと半分ぐらいはいますね。
ちくあみ
なるほど。
その時代を知ってる人たちがいる、そこに新しい世代が入るというのは、会社の繋がりや背景を共有する上では大事なことかもしれないですね。
山崎文栄堂が生み出すフラットな組織とは。
ちくあみ
吉田さんはそのような中で山崎文栄堂に入社を決めた理由はなんでしょうか?
吉田
就職活動って企業が学生を選ぶ、学生は選ばれるために良いことを言う。
そんなイメージがあったんですね。
ただ、山崎文栄堂で学生向けのワークショップに参加した時に、企業と就活生ではなく「吉田さん」として見てくれたんです。
ちくあみ
その話、興味深いです。
吉田
フラットな職場です、と謳う企業は山ほどいますが、山崎文栄堂はそれが空気のように自然にできていたんです。
そういった先輩方を見て私自身もフラットな関係を大事にできる社会人でありたいと思いました。
そこが決め手でしたね。
ちくあみ
お話をお聞きして、SNSを採用活動に活用することにも繋がる気がしました。
SNS採用の武器って「フラットなコミュニケーション」なんですよね。
発信する側と受け手側の目線が近かったり、高低差が少ないんですよね。
吉田さんの周りでもSNSは就活で使ってましたか?
吉田
はい。
実際に山崎文栄堂が発信しているTwitterをチェックしたり、そこからインスタを見たり。
興味を持ち始めた段階で、いろんな角度で会社を見れたことが安心に繋がりました。
※山崎文栄堂さんのTwitterの発信内容例
ちくあみ
なるほど。周りの友達もそんな感じでしたか?
吉田
そうですね、企業研究というとHPをまずは見ますが、それだけでは分からないことってたくさんあるんですよね。会社の雰囲気とか人間味とか、言葉にならない情報はSNSやインターンシップを活用してましたね。
ちくあみ
学生もさまざまな切り口で就職活動をしているんですね。
ちなみに、SNSを採用に活用する前はどのようなスタイルで採用活動をしていたんですか?
宮地
はい。
それこそ、リクナビやマイナビにお金かけて、そこに一気に学生を集めるスタイルでした。
そこから説明会して一次面接、二次面接、最後社長の鞄持ちして。。
ちくあみ
よくあるスタイルですね。
宮地
はい。
それだと一定母数の学生は集まるのですが、「山崎文栄堂の大事にしている価値観だったり、その人が本当にお仕事を通じて貢献したい、成長したいのか」があまり分かりませんでした。
お金も時間もかけて採用しているのに内定辞退や、入社後にギャップを感じたりと。。
ちくあみ
そうなると企業も学生もお互いに不幸ですもんね。
宮地
そうなんです。
お互いに「いいよね」となれる採用をしようということで、マイナビやリクナビはやめて、SNSを活用した独自の採用スタイルを始めました。
ちくあみ
そういった経緯があったんですね。
ちなみに御社の中で採用する際に求める人物像はあるんですか?
吉田
あります。
変化に柔軟で、軽やかに挑戦できる人ですね。
現代のように変化が早い時代、山崎文栄堂もスピーディーな変化が求められます。
その変化に対して、ブレーキをかける人よりも「やってみます!」という人がいれば場の空気も上がるし、本人も自社も成長できると思ってるんです。
ちくあみ
確かに。
イメージ的には指示待ちよりも自分から提案できる感じ?
宮地
はい、主体性も大事ですね。
「相手が喜ぶことを自ら考えて創造すること」に喜びを感じる人が合うかと思います。
ちくあみ
それって社会人の中でもできる人は少ないですもんね。
宮地
そうなんです。
なおさら採用の面接や履歴書では分からないんですよね。
なので受け皿としてインターンシップをしっかりとやってるんです。
学生自身が本当に思っているところをじっくりみながら、対話しながら擦り合わせるといった感じですね。
新たな集客モデルにSNSを活用、しかし、、。
ちくあみ
なるほど。インターンシップにくる方もSNSも見てくれていますか?
宮地
見てますね。
ただ正直にいうと、インターンのプログラムについては自信があったのですが、私たちはSNS集客のプロではありませんでした。
集客のために勢いでSNSを始めたのですが、今思えばSNSの役割や投稿内容がぐちゃぐちゃでした。
ちくあみ
企業のSNS運用ではあるあるです笑
宮地
そのような中、Honmonoさんのサービス「SNS採用ゼミ」を知り、お願いをさせて頂きました。
ちくあみ
有難うございます。
実際にはTwitterを3ヶ月、instagramを3ヶ月の計6ヶ月を支援させて頂きました。
良かった部分も課題も率直に教えてくれると嬉しいです。
宮地
はい。
まず良かった点ですが、客観的な視点でSNSの投稿方針を企画してくれたことです。
自社で長く働いていると主観がどうしても入ってしまい、学生が本当に欲しいメッセージや伝え方が見えなくなる時があるんです。
そのような中、ちくあみさんには客観的に山崎文栄堂のことを見て頂いたり、学生のリサーチや投稿の分析をしてもらい、投稿方針を決めていただいたことがとても心強かったです。
ちくあみ
有難うございます。
よくあるSNSの失敗事例なのですが、自社の魅力を伝えたいという想いが強くなりすぎて、結果伝わらないことがよくあるんですよね。あくまでフラットなコミュニケーションがSNSの特性なので、学生の目線に合わせた投稿が必要になります。
宮地
はい、SNSの特性に沿った投稿という視点はとても参考になりました。
またもう一つ良い点が、自分達の投稿に対し客観的かつ丁寧に分析してもらったことで、投稿を続ける習慣ができたことです。
自社だけでなんとなく投稿していると、「効果が出ない」→「改善点が分からない」→「投稿が億劫になる」という悪循環にハマりがちです。
ちくあみ
SNSは無料で始められる分、みなさん最初はエネルギー高く投稿するのですが半年経ったら放置、、というのは個人に限らず企業でも多いんですよね。
宮地
そうなんですね。
ちくあみ
SNSはそう簡単に結果が出るものではありません。
3ヶ月で運用のコツを掴み軌道に乗せることが大事で、その後に「正しい継続」を行うことで結果に繋がります。まさに山崎文栄堂さんが習慣化したからこその結果です。
SNS採用ゼミを導入した効果とこれから。
宮地
Honmonoさんのサポート終了後もアクティブなフォロワーが順調に伸びてきています。
「正しい継続」の重要性が身にしみてわかります。
ちくあみ
実際にSNSの取り組みを始められて、応募した学生の方からの反響はありましたか?
宮地
そうですね。採用イベントに応募してくれた学生が28名いて、実際にSNSが後押しとなり、3名が長期インターンの参加に繋がりました。
ちくあみ
それは嬉しいですね。
吉田さんはどうでしたか?実際にSNSを運用されてみて。
吉田
ちょっと話がそれるかもしれませんが、今振り返ると感動したなー、という出来事があって。
ちくあみさんがSNSサービスとは関係ないのに、私にアドバイスをするために採用関連のセミナーに出て色々と調べてくれたんです。
ちくあみ
セミナー出ましたね。その情報を横流しして笑
吉田
本来は当社が対応すべきところを、「役に立つから」とわざわざ情報を取りに言ってくれる姿勢にとても感動しました。
外部のSNSコンサルというよりは同じ採用担当の仲間、のような関係でいてくれたことが嬉しかったです。
ちくあみ
そういって頂けて私も嬉しくて泣きそうです笑
宮地
Twitterもすごい伸びてて。今、社員全員がアカウント作って運用してるんです。
そこからいろんな中小企業の経営者と繋がって、仕事が生まれたり。
私たちのイベントにも来てもらったり。
今までリアルの繋がりだけだったのが、SNSの情報発信から繋がりができたのはすごい武器だと感じています。
ちくあみ
Twitterは想いを共感してくださる方との結びつきが強くなる特性を持ってます。
悪い面を言えば炎上しやすいですが、いい面を活かせればとても強力なツールです。
山崎文栄堂さんの場合、社内にいる人や取り組み自体が面白いから、正しい発信をすれば興味持ってくれる人はたくさんいますね。
宮地
有難うございます。
ちくあみ
だいぶ褒めてもらったので、、、笑
課題もあればぜひ教えてください。
宮地
そうですね。大切だなと思ったのがSNSやHPなど含めた全体の導線やゴールの設定ですね。
最初は欲を出してSNSのみで学生のアクションに繋げようとしていました。
ですが、実際にはもう少し小さなステップというか導線がいるなと。
わたしたちからSNSのコンサルをお願いする前に、全体の採用PRの導線を設計してから、SNSではどんなステップとするのかを考え、コンサルをお願いした方がより効果的だったなと感じました。
ちくあみ
おっしゃる通りでTwitterやインスタグラムだけでは完璧な採用はできません。
採用サイトや映像、広告、Youtube、イベントなど。認知のためにSNSを使ったり、補助的にSNSを使ったりと導線設計が大事になります。
私たちもSNSサービスを提供してますが、全体の導線設計をイメージしながらご提案できるようにアップデートしていきます。実は今期にYoutube事業も立ち上げるので、その時はぜひ。
宮地
楽しみです!
ちくあみ
最後の質問になりますが、今後のSNS活用の展望を教えていただけますか?
宮地
はい。
私たちは対面のリアルな深い繋がりも大事にしてます。
ちくあみ
そうですよね。
宮地
ただしリアルだけだとどうしても関係が固定化したり、コロナを含めた社会情勢に左右されがちです。
ゆえに今後はリアルとオンラインをうまく組み合わせたいなと。
オンラインで人的な広がりを作り、リアルで深い繋がりを生み出すような。
ちくあみ
確かに御社ならではですね。
宮地
オンラインとリアルの両軸を動かすことで、自社に限らず多くのステークホルダーと協力しながらお役立ちできるお仕事を拡大していきたいと思います。
ちくあみ
これからの更なる活動を楽しみにしております。
本日は有難うございました!
宮地/吉田
有難うございました!
SNSを活かした採用なら「SNS採用ゼミ」を!
Honmonoでは採用に特化したSNSコンサルティングサービスとして「SNS採用ゼミ」を展開しています。
□ 採用コストがかかりすぎている
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