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音楽コンサート×映像のコラボ。東京メトロさんと挑戦しました。

本コンテンツはクライアント企業とのコラボレーション企画。

Honmonoが仕事をご一緒する企業のホンネを探る「ホンモノ対談」です。

クライアントワーク、といえば契約して作業して納品をして終わりのイメージが強いですよね?

しかし、非営利団体のHonmonoでは

Honmonoのクリエイティブ力 ×企業のビジネス力=成果物が社会的役割を果たすこと。

を大事にしています。

メトログループさんやJTさんなどの社会インフラを支える企業から、赤十字社さん、ユニセフさんのような社会福祉団体、地域を支える地場企業まで。数多くの企業とシゴトをしてきたHonmono。

もちろんいいことやかっこいいことだけではありません。
大変なことや失敗も多くあります。

そんな「シゴト」のホンネを赤裸々に語り合う対談企画です。

今回は対談は毎年大人気の「メトロコンサート」を主催する公益財団法人メトロ文化財団さん。

例年は地下鉄博物館ホールや渋谷駅構内で開催していましたが、コロナ禍の影響もあり、オンラインでの開催が危ぶまれていました。

その中で「音楽コンサート」×「映像」という新たなアプローチに挑戦。

本プロジェクトに携わった、公益財団法人メトロ文化財団、株式会社メトロアドエージェンシー、Honmonoの3社で、ライブ映像の制作過程や、カルチャー×クリエイティブの可能性などを語り合いました。

公益財団法人メトロ文化財団 常務理事 大谷 泰彦 
埼玉県出身。1986年東京メトロ(旧営団地下鉄)入社、2015年よりメトロ文化財団勤務 現在、各種イベント及び地下鉄博物館の運営等事業全般を担当
株式会社メトロアドエージェンシー 森 勇人 
大阪府出身。2020年(株)メトロアドエージェンシー入社。現在、東京メトロ及び東京メトログループ会社をクライアントに営業を担当
一般社団法人Honmono協会 代表理事 三井所健太郎
福岡県出身。2019年、法人・個人・業種を超えたティール型の新たな働き方モデル実現する為、一般社団法人Honmono協会を設立。 現在、56団体が参画中。
一般社団法人Honmono協会 川上タツ郎 
東京都出身。映像ディレクター。 企業向け映像制作会社、電鉄会社、アニメ制作会社、出版社を経て、2014年からフリー。 ​企業向けの実写映像を中心に活動し、近年では企業向けのアニメーションに力を入れている。
一般社団法人Honmono協会 理事 長根 汐理
青森県八戸市出身。2019年に株式会社いろは設立。「価値あるものが、きちんと認められる世の中を創る」をモットーに、企業のPR支援や新規事業の立ち上げをサポートしている。

音楽からアートまで!「鉄道」を介して文化の魅力を発信する


長根
本日はありがとうございます!

早速ですが、公益財団法人メトロ文化財団の事業目的や事業内容をお伺いしてもよろしいでしょうか?

大谷さん
はい。当財団では地下鉄に関する知識の普及と交通文化の発展に寄与することを目的としています。

事業の柱は3つありまして、一つは地下鉄博物館の運営ですね。

もう一つは、交通文化事業と言いますが、今回開催した音楽会の開催などの文化活動です。他にもメトロ児童絵画展や写真のカルチャー教室なども行っています。

あとは交通マナー事業という、交通マナーの啓蒙活動ですね。

大谷さんが館長を務める地下鉄博物館にて対談を開催しました

長根
なるほど。今回のプロジェクトが立ち上がったのは、どのようなきっかけだったのでしょうか?

大谷さん
交通文化事業の中でも、特に音楽に力を入れています。

毎年、地下鉄博物館の中にあるホールや渋谷駅構内、また高齢者施設や病院などに出向いてコンサートを開催していました。あとは年に1回、芸術劇場やサントリーホールで本格的なクラシックコンサートも行っていましたね。

そうした中、新型コロナウイルスの感染拡大という予想だにしなかった出来事が起こり、リアルなコンサートは全て中止せざるを得なくなりました。

そこで、オンラインでのライブ配信という案がでたのがきっかけになります。

長根
ちなみに、コンサートの開催自体は長いのですか?

大谷さん
コンサートによりけりですが、長いものだと20年前くらいからやっているものもあります。ある意味天災が原因とはいえ、年間通して何もできなかったという状況は初めてでしたね。

長根
なかなかリアルでのイベントは厳しいですよね。メトロアドエージェンシーさんとの関わりはどのような形だったのでしょうか?

森さん 
東京地下鉄株式会社(東京メトロ)の広報部サステナビリティ推進室がメトロ文化財団の所管部署になるのですが、そちらからコロナ禍でコンサートが難しいので、何か提案してもらえないかとお話をいただきました。

そこで色々と検討する中でオンライン配信という方向性が見えてきて、実際にプロジェクトとして立ち上がった形になります。

本件を指揮する森さん(左)と主催の大谷さん(右)

クリエイティブだからこそ伝えることができる文化の魅力


長根
今回のプロジェクトで、映像制作をHonmono協会に依頼しようと思った理由を教えてください。

森さん
フレキシブルに動けるなど基準はいろいろありましたが、Honmono協会さんのHPを拝見した時に、過去にも「文化との融合」となるような映像を制作をしていたので、文化事業と融合性が非常に高い業界の方々だと思ったのが理由ですね。

長根
嬉しいですね、三井所さん。

三井所
ありがたいですね。今回ディレクションを担当した川上も、音楽やってたんですよ。

川上
はい。音楽もやってましたし、あとメトロ文化財団さんには何回かお話しましたが、私、前職が駅員でして。

音楽も好きですし、鉄道会社の文化財団の案件というのが本当に嬉しくて、他の人にはやらせたくないってくらい前向きに二つ返事で三井所さんにお返事しましたね。

長根
すごいですね(笑)

ちなみに森さん、実際の制作の過程はいかがでしたか?打ち合わせをたくさん重ねられたと伺いましたが...!

森さん
そうですね。結構長いプロジェクトになりましたね。

三井所
初めてのことですもんね。

森さん
オンラインでのライブ配信が初めてでしたので、メトロ文化財団さんやHonmono協会の皆さんにご意見をいただきながら、いろいろと議論を重ねて企画を作りました。

長根
今回、バイノーラル録音(※)を採用されていますが、最初からアイディアとしてあったのでしょうか?

※ 特殊な録音方法により立体的なサウンドを実現することで、直接その場に居合わせたかのような臨場感を再現できる方法

ステレオとの違いがわかる映像はこちらより。

森さん
そうですね、せっかくオンラインで配信するなら、オンラインならではの面白い演出は実現したいと考えていました。

長根
制作の過程で難しかったり、大変だと感じたポイントはありましたか?

森さん
その点でいうと、バイノーラル録音のご提案がメトロ文化財団さんにどのように受け止めていただけるかは不安でしたね。公益財団なのであまり派手になりすぎない方が良いと思っていたので。

三井所
今回、本プロジェクトに関わる誰もが初めての挑戦であり期待と不安を抱えていました

どのやり方がベストか判断がつかない中で川上に相談したところ、「よし、バイノーラルもステレオも両方撮りましょう。良い方を使いましょう!」と。

結果的には、両方のパターンを配信することで音違いを楽しめる作品になったかと思います。

幅広い人が利用する鉄道だからこそ、世代や性別を超えて楽しめる音楽を


長根

Five by Fiveさんにオファーされたのは、どうしてですか?

大谷さん
幅広い年齢層に楽しんでいただける内容にしたいと思いました。心に潤いや癒しを与えられるような音楽ですね。あとは、若手演奏家への活動の場の提供を念頭においていますので、そこで候補が上がったのがFive by Fiveさんでした。

長根
なるほど。実際にFive by Fiveさんの音楽を聴いて、いかがでしたか?

大谷さん
やっぱり技術があって上手ですし、心に響くものがありました。開催するコンサートはクラシックが多いのですが、サクソフォンなのでジャズ的な要素もあって幅広い世代にも楽しんでいただけかと。

三井所
選曲も幅広かったですが、何かリクエストされたのですか?

森さん
いえ、全てFive by Fiveさんで決められてましたね。

先ほどの大変なだったことの話に少し戻るのですが、初めの企画だったので全員のイメージや方向性があまり定まっていなかった中、Five by Fiveさんの実際の演奏をリハーサルで聴いたことで、よりライブのイメージが鮮明になり、方向性も定まった気がします。

あの時は、とても良い体験でした。

川上
そのエピソードで言うと、私たちもリハーサルでFive by Fiveさんの演奏を実際に聴いて、より映像や収録のイメージが固まったところがあります。

私はずっとコントラバスをやっていたので、弦楽器であればどのパートをどう撮影すれば良いかなんとなく頭にあったのですが、サクソフォンは初めてで。それが、実際に演奏を聴いてみて、方向性や演奏のイメージがより明確になったのがとても良かったです。

三井所
そうですよね。それまでは、共通言語がないというか、お互いに手探りな感じでしたよね。

長根
川上さんはクリエイターとして、撮影時に気をつけていたポイントなどはあったのでしょうか?

川上
そうですね。

こだわりがあるとすれば、弦楽五重奏であれば見た目でどの楽器なのか分かるんですが、サクソフォンはなかなか判別が難しく、パッと見た時に誰が弾いているのか分かりにくい。なので、誰がどのパートを演奏しているのかを把握するために、曲のサンプルデータ聴き込んで勉強しました。

あとは、クリエイターとして演奏者の個性を引き出すために、どのパートで誰を撮るのか、どこで寄るのかは、カメラマンとかなり打ち合わせしましたね。

ただ綿密に計画したのですが、いざ現場に入ってマイクを立ててみたら想定していた画角が違うということもあって...。そこは実際に現場で調整しながらやっていましたね。

三井所
現場でも作りながら、でしたもんね。

森さん
約20分の映像を、一日かけて撮影していましたね。一曲2時間近くかかるものもあったりとか。

長根
大変ですね!良いところを切り取っていくためにかなり入念に準備されたんですね。

川上
そうですね。とにかく準備しました。

大谷さん
そんなに準備されていたなんて、想像していませんでした。

技術的なことは全く分からないので、ほとんどプロにお任せ状態でしたね。どんなものができるのかなって不安がありました。

長根
実際の完成した動画はいかがでしたか?

大谷さん
あのように仕上がると思っていなかったので、ホントに驚きました!
想像以上でした!

川上
実は、かなり遊びました。

エンジニアの方が音もかなり派手に作ってくださったし、Five by Fiveの宮越さんもこういう音を作りたいとエンジニアと直接やり取りしていただきました。
最後の最後ギリギリまで、エンジニアの自宅のスタジオに行って一緒にやったりとか...。

大谷さん
こだわりはすごく感じましたね。ほんと最初は、個人が配信しているYouTubeのようなものをイメージでしていました。

森さん
最初に川上さんと打ち合わせをさせていただいてから、一貫して「今回の映像で何を表現したいのか」という話をずっとされてて。

制作物に対する熱意がすごいと思いました。もちろん、その熱意は今回の企画にも込められていると思いますし、依頼して良かったです。

川上
ありがとうございます!地下鉄乗りますね、これから(笑)

大谷さん
よろしくお願いします(笑)

映像は制作が目的ではない。人の心を動かす作品を目指して

三井所
私たちは映像を制作するのが目的ではないと思っていて。

制作した映像がどういった方に見ていただいて、どういった方の心を動かすかというところまで、一緒にやりきりたいなと思っています。

大谷さん
鉄道事業もそのものが利用者層が広く、ターゲットを絞りきれない面があります。そういう意味では、本当に老若男女どなたが聴いても、良いものに仕上がったかなと思います。

対談後、電車運転シミュレーター体験をさせていただいた三井所。速度超過によりブレーキが間に合っていませんでした(笑)

長根
トンネル内での撮影も検討されていたとか...?

森さん
せっかくメトロ文化財団さんとコラボので、最初は地下鉄のトンネル内でできないかとか、もともとは駅構内でのコンサートなので、地下鉄に関連する何かは入れたいと思っていました。

東京事変の「丸の内サディスティック」が演奏されたのは、それの名残です。

三井所
そうですね。

今回はなかったですが、次回、地下鉄博物館内で撮影するのも面白そうですよね。色々な電車も置いてますし。あとは、コロナ禍が落ち着いたら、やっぱりリアルな音色を聴けると良いですよね。

長根
今後開催されるコンサートは、オンラインメインですか?それともオンラインとオフラインの両軸で検討されているのでしょうか?

大谷さん
そうですね。一度環境が変わってしまうと、なかなか元に戻るのも難しいのかと。

なので、オンラインとオフラインの両軸でやっていくことになるかと思いながらも、個人的にはオフラインの臨場感は大事にしたいですね。

長根
リアルならではの臨場感ってありますよね。

大谷さん
そこがやはり大事だと思っています。

長根
今回の配信もバイノーラル録音を入れたりと、結果的には臨場感を感じられるような内容に仕上がっているのではないでしょうか?

川上さん
確かにそうですね。きちんとヘッドホンつけて聞くと、違いが良く分かります。

大谷さん
初めて聞いた時は、耳がおかしくなったのかと思いました(笑)。

森さん
川上さんがサクソフォンの五重奏ってあんまり聞かないと話をしていたと思うのですが、逆にそれが良かったのかと。

SNS上でも、すごく面白いと反応をいただきました!コロナ禍で外出できない状況で、こういうコンサートがあるのは非常に嬉しい、ありがたい、といったご意見も目にするので、やっぱり臨場感を楽しんでいただけるのかなと思います。

鉄道博物館に展示されている、丸ノ内線301号車。

長根
今回の映像を、今後はどのように活用される予定ですか?

大谷さん
とりあえず一度形にするのが精一杯だったので、これから検討していく予定です。

川上
一回目である程度出し切ってしまったところもあるので、続きが...(笑)

大谷さん
進化を出さないといけないから大変ですね。

川上
担当してくれたカメラマンと音声収録のエンジニアとは、だいぶ出し切ったねという話はしていて、次のハードルを自分たちであげてしまったかな、と(笑)

大谷さん
出演者も、相当レベルが高い方々が最初でしたからね。

川上
今回のFive by Fiveさんは意見をたくさん下さるので、そこに応えていく形になると思います。

出演者の期待にまず期待に応えていけば、視聴者の皆さんの期待に応えることにもつながるかと。音楽だけではなく映像も同じですが、まずは出演者の方ととよく話して、コミュニケーションを重ねていくのがとても大事だと改めて思いました。

三井所
Five by Fiveの宮越さんは特に、対等にお話してくださったんですよね。

川上
良い意味で、ぶつかり合いみたいな感じでした。宮越さんが意見をだしてくださるので、こちらも意見をぶつけてみようといった形です。

大谷さん
音楽で生計立てている方々なので、こだわりがすごいんですよね。

長根
なんだか実際の演奏みたいですね。セッションしながら、一緒に作り上げていく。最後に、今後の展望についてお伺いできたらありがたいです!

大谷さん
世の中の見通しが立たないこともあり検討を重ねているところですが、オンラインとオフラインの融合はやっていく形になると思います。

メトロ文化財団の事業としても、環境が変化していく中で、色々なご意見を伺いながら従来とは異なる方向に舵を切っていくことを検討していく必要があると思っています。

三井所
地下鉄博物館だったり皆さんに楽しんでいただけるコンテンツはたくさん持っていると思いますので、それらを活かしながら、より多くの方に楽しんでいただけるようなご提案ができればと思っています!

大谷さん
コロナにより集客が難しい状況が続いていますが、これが終息しても従来通りの生活状態には戻らないであろうことを考えると、情報発信も含めて新しい方向性を検討していく必要があろうかと思っています。

特に博物館は、来館しなくても館内に展示してあるものを楽しんでいただけるような仕組みを作っていかなくてはと考えています。

長根
すごく魅力的なコンテンツが、たくさんありそうですよね。

大谷さん
実際に、来なければ分からない側面もありますけどね。

森さん
先ほどの話にもつながりますが、いろんな方に楽しんでいただける企画は既にメトロ文化財団さんの方で作っていると思うので、それに沿うような形で、初回のコンサートをよりグレードアップしたようなものが作れるといいなと思いながら日々検討中です。

ぜひまたHonmono協会さんにもご協力いただけたら嬉しいです!

三井所
はい、よろしくお願いいたします!

= = = = = = = = = = = =
長根の対談後記

コロナ禍で、私たちの生活は大きく変わりました。今までの当たり前がそうではなくなる。しかしそれは、新しい可能性を広げるためのチャンスと捉えることもできます。

リアルなコンサートができないからこそ、オンラインでもリアルさながらの臨場感を追求し、実現する。制作が目的はなく、その先にいる視聴者がどんな気持ちになるか、どんな体験ができるかを目指し続けたからこそ、人の心を動かす作品に仕上がったのではないでしょうか?

主催者、企画者、プロデューサー、クリエイター、演奏家。それぞれが立場を超えてコミュニケーションを重ねながらプロジェクトを実現していく様子は、それぞれの個性を活かしながらセッションを重ねることで、感動を生む音楽を作る過程と似ているのかもしれない。

そんなことを思いながら、電車運転シミュレーター体験に興奮が止まらない元女子鉄(鉄道好き女子、ちなみに乗る方)の長根でした。

心動かす映像制作はHonmonoまで

Honmonoでは心揺さぶるハイクオリティな映像を、良心的な価格で提供する「Honmono Movie」事業を展開しています。

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映像を活用し、より多くの人の心に届けたい、という方はお気軽にご相談ください。

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