tipToe. candlelightミニ楽曲解説
前置
candlelightは前作timetripの「長い坂の途中で」で1期主人公が町を去った2年後、1期主人公がもういない地元の高校に風速ちゃん、ホワピちゃんなどが入学してくるところから始まる。
1.春の風速、帳が揺れて(高1の4月末)
自分の夢や憧れを素直に受け入れられなかった子(風速ちゃん)の始まりの話。
candlelight版はオケから全部新録。
fourthBaton.版と微妙にアレンジも違っていて、ドラムはmasaton.から代わってピクミンさんが叩いてる。実はオケ自体は1期3年生の夏ぐらいから存在していたが曲は良いのに当時の1期のノリにハマらず扱いに悩んでいた曲。
2期にぴったりなので2期の為に少しフライングで生まれてきてくれた曲なんだと今は思ってる。春の風が吹いて幕開け前のカーテンが微かに揺れるイメージでタイトルつけた。
2.踏切ドリーミング(高1の4月前半)
風速の主人公の幼馴染でほんわかのんびりした子(踏切ちゃん)が高校の初登校日の朝、通学路の踏切で電車の通過待ちをしている時の話。超・瀬名航って感じの曲で本間は歌詞のオーダーぐらいで干渉していない。
3.紙飛行機の行方(高1の6月)
夢があったのに他の人に流されて言い出せないまま気づいたら高3になっていた子(紙飛行機ちゃん)の話。新入生の風速ちゃんや踏切ちゃん、ホワピちゃんたちと出会って運命が動き出す。
実は結構な難産曲で瀬名くんと本間で議論しながら作った。オケも歌詞も最初期から比べるとかなり書き直して今に至る。社外の作曲仕事がかなり増えてきた頃に作った曲でそこで学んだことの影響も受けてる感じがする。
英語版タイトルはIt's Not Too Late.
実はこの曲の「これでいいんだって、そう思った」はさくら草の「これでいいんだよ」とかかってて、紙飛行機ちゃんだけは他の人物たちより早くこの心境に辿り着いてるというやつ。
4.シロップタイム(高1の9月)
踏切ちゃんが地元のレトロ純喫茶、喫茶カスミソウに行ってみる話。喫茶カスミソウは1期ではずっと恋愛テーマの曲の舞台だったが今回は大人ぶってみたい踏切ちゃんをコミカルに描いた作品。
ジャズがモチーフの曲で、1期のジャズ曲「秘密」とちゃんと差別化できるように曲もダンスも違いを意識的につけている。本間が書いた短いストーリーを歌詞に落とし込んでもらった。やぎぬまさん作詞作曲、瀬名君編曲。
2期の喫茶カスミソウ周りについては小ネタ設定がいくつかあるのでいつか出したい。
5.クロックワーク・スパークル(高1の2月)
風速ちゃんたちの高1の終わり際、高3で先に卒業する紙飛行機ちゃんの送別パーティを近所のファミレスで開催した話。最後の方の歌詞は紙飛行機ちゃん目線。
tipToe.なりの限界陽キャ曲のつもりで作った。これが…限界。2期が今みたいなチームじゃなかったらこの曲作れなかったなぁと思う。地方でクロワスやる時はメンバーが考えてご当時ネタに歌詞が変わることもある。
6.群青と流星(高1の8月末)
晩夏、学校の帰りに坂の上にある学校を更に登るとある展望公園に行って満点の星空のもと好きな人を想う話。普通帰りは坂道を下るのに更に坂道を登るのはそういうこと。展望公園の存在は1期の時から考えていたのに結局使われないまま終わった幻のスポットで、作曲のあおいちゃんに展望公園の存在を話したら曲に入れてくれた。先行シングルのジャケは聖蹟桜ヶ丘にある有名な公園であおいちゃん的にイメージぴったりだったとのこと。
7.marine blue(不明)
物語の時系列から完全に独立した番外編。Cider Aquariumの「白い花」とはちょっと関連している。瀬名君から「こんな曲絶対tipToe.に合うと思うんで作っていいですか」とプレゼンされて生まれた曲。昭和歌謡曲を現代っぽくした感じのテイストでライブの時のフックとして大活躍してる。柚月りんちゃんさんの振り付け。振りに手話が入ってるのすごい。
8.ユナイト(高2のいつか)
ここまでの出来事や登場人物たちが入り混じり本当の意味で繋がりあっていく。何があってもトンネルの向こうの灯りを、繋いできた蝋燭の灯を消したくなかった、だから私とは違う君と一緒に走っていくという話。クロックワーク・スパークルの先のエピソード。物語としての立ち位置もあるんだけどユナイトとさくら草についてはもうとにかくライブ見てくれればOKとしか言いようがない。
乗せる言葉が見つからないままオケ自体はずっと前からあった。
ゆうかが振り付け担当。一度ゆうかが離れる前からあった曲だけど帰ってきて改めて振りを直してくれた。新しい振りには新たな解釈が盛り込まれていた。
9.さくら草の咲く頃に(高2のいつか)
本来作るつもりのなかったユナイトの更に先の話。といいつつもうよくわからない奇跡みたいな曲。全部乗り越えてみんなで真っ直ぐ命かけて音楽やろうと決めて作った。これもライブ見てくれればもうそれが全てだと思う。さくら草は「青春」などtipToe.的な花言葉がありつつ「運命を切り拓く」という言葉があってそれを気に入って名付けた。憧れという呪いを解いて、打算もなく誰かの模倣でもない自分の感情でいられる「私」がいい、みんなの不完全を持ち寄って誰もいない道を一緒に走っていける「私たち」でいたいと思う。
10.ホワイトピース(高1の5月)
やりたいことがなにもなくて焦りつつも誰かに与えられた夢や目標にしっくりこなかった子の始まりの話。楽しいとか嬉しいとか頑張りたいとか興味あるとか、今はそれがどう結びつくのかわからなくても集めていくうちに本当の何かが見つかるかもしれない。当時、tipやりながらメンバーにはそれを探して欲しいなと思って書いた。正体不明の感情がいつかの未来の景色に繋がってたらいいよね。
追記
・candlelightってそのまま蝋燭のあかりの意味もあるんですが夕方という意味もあるんですよね。magic hourと一緒です。