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tipToe.楽曲解説Vol.10 – ハートビート

概要

・タイトル ハートビート
・ヨミ ハートビート
・楽曲番号 09
・作詞 本間翔太
・作曲 瀬名航
・編曲 瀬名航
・振付 足太ぺんた
・制作時期 2年生1学期前編「magic hour」

コンセプト

1st full album「magic hour」の最後の一曲。テーマは今までで一番泥臭く必死でエモーショナルなギターロックを作ること。本間にとっては今までの自分を救ってくれたギターロックを出来るだけ高い純度で絞り出したような曲。「magic hour」に最後のピースのつもりで作った。

この曲自体は5人編成の頃から瀬名君と打ち合わせをして作り始めていた。当初は「大丈夫、この手をとって」と背中を押されて前向きに歩き始める「かすみ草の花束を」と対をなすもう一つの1年生編のエンディングとして考えていた。その途中で成瀬が戻ってくることが決まり、6人の今までとこれからを願う曲にした。

楽曲

2000年代後半の下北沢ギターロックそのもの。

作曲の瀬名君はエレクトロニカ出身でギターロックは専門外なのだが、本間がギターロックに瀬名航を引き摺り込んで「瀬名航 meets ギターロック」といったサウンドになっている。瀬名航的なメロ感やコード展開のままギターロックになっている印象。

最初に瀬名君が出してくれたサビメロがピンとこなくて、何回か試行錯誤して今のメロになった。その過程で本間も瀬名君と一緒にメロを考えてみたが結局瀬名君のメロの方が全然良くてそっちにした。瀬名航天才。特に最後の「笑いあって息をしていた」のメロディは大変で、瀬名君は「エモさが足りない」みたいな意味不明な本間のディレクションで何回もリテイクさせられた。

瀬名航曲では珍しく非常に人間味のある生演奏しやすい楽曲で生バンドで演奏する場合もほぼ同期なしでいける。コピバンでオススメ。

レコーディングについては、「僕たちは息をする」同様にGt./butter butter平田君、Ba./それでも世界が続くならしょうご君、Dr./3markets[ ]masaton.という分かる人には分かる下北ギターロック感満載のチームだったので実家のような安心感のある現場となった。ただ、masaton.は2サビ後のグチャグチャやるところのドラムを辛いと言っていた。

イントロのギターソロは平田君考案で、本間が送った口ギター(口でギターのメロディを歌うやつ)をベースに格好良く仕上げてくれた。最終的に原型の口ギターは面影が部分的に残る程度まで薄まっている。

歌詞

「退屈な日々を送る私がやっと見つけた大事な居場所で失敗しながらも必死に生きていく話」

1年生編のメインストーリーの1曲。「特別じゃない私の物語」→「夢日和」→「ハートビート」→「かすみ草の花束を」の順で話が繋がっている。ここに「The Curtain Rises」も絡んでくるが、それは「The Curtain Rises」の解説で。

大サビはまさにマジックアワーの黄昏時に土手をがむしゃらに走っているイメージ。「特別じゃない私の物語」の2サビの「夕日 長くのびる影 紅く染まり風が吹いて」というのは夕暮れの土手の描写なのだが、ハートビートのこのシーンもその学校の近くにある土手。MVで花咲なつみがギターを弾いてる土手がイメージに近い。

メンバーたちのこと考えながら2週間ぐらいかけてコツコツ書いた。全部大事な曲だけれど本間はこの曲に凄く思い入れがあって、「個性も性格も全く違う6人が苦難を乗り越えてやっと揃うまでの話」がメンバーにとっての1年生編であったとするならこの曲はそのクライマックスだと思う。歌詞もそのメンバーに歌ってほしいと思って書いた部分が色々ある。今や真叶といえばという感じの落ちサビは何度うまくいかなくても絶対にアイドルを諦めない真叶に歌って欲しかったし、「毎日死んだように生きているから夢中になれるものが欲しい」と言って入ってきてくれた寧々に「日々、事はうわのそら ペン先でなぞる意味もなく」を、「私は失敗ばっかりしてみんなに迷惑かける」と言っていたあみに「失敗ばかりが多すぎて」を「わたし達はいつも置いていかれるような気がする」と言っていた三原さんに「置いてかれるような焦燥に」を、当時何度も辞めたいと言いながらも頑張ってくれたつみに「時々逃げたくもなるよ」を、覚悟決めて戻ってきてくれた成瀬に「今更誰かが言ったように」をお願いした。三原さんが「今更誰かが」を途中まで一緒に歌ってるのは成瀬が離れてる時も三原さんは成瀬の近くにいたから。真叶と成瀬で歌う「もう一度」の意味は2人ともそれぞれ違う。「未来を射て!」は全員で歌って欲しかった。うまくいかないことばかりだけど、ボロボロになって格好悪くてもそれでも諦めずにいてほしい。

僕ら運営も最初思い描いていた通りにはならなかったかもしれないけれど、なんだかんだ今笑って生きてるよ。みんなもそうでしょう?今そうでなくても必死に生きてたらきっといつかそうなれるよ。

雑記

MVは夢日和のロケ地で撮影。夢日和のMVと比較すると成長で泣きそう。桜の花びらは造花なんだけど超高い。掃除が大変だった。大量の照明を用意して撮影に臨んだものの、電力が足りるかわからなくてロケ地のいろんなところから電気を引っ張ってきた。椅子に座ってるシーンのワンピースは長谷川さんプロデュースのワンピース。

「ハートビート」といえば当然偉大なるバンド「GOING UNDER GROUND」の代表曲が頭に浮かぶので避けようかと思ったが、どう考えてもハートビートだったので思い切ってそのままいった。

振り付けは足太ぺんたさん。「ねぇ、笑って」の部分でつみと三原さんに好きにやって欲しくてそこの二人をフリーにしてもらった。ライブでやればやるほどあの部分二人ともエモくうまくなってて好きです。

落ちサビの真叶幸せそうでしたね。

個人的に6人編成の第1期tipToe.はこの曲がスタートだと思っていて、ラストライブのセットリストでもその意味を込めて大事なアンコールの枠に入れさせてもらった。

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