アイツはパーフェクトヒューマン?
小学生の時、別のクラスにスポーツ万能な男の子がいました。
多分、一度も話をしたことは無かったと思います。
一学年300人以上いる学校でしたので、名前も知らない子は沢山いるのですが、彼の事は私の耳に入ってきていました。
モテるんやって。
私「あ、そう。」
野球がウマイんやって。
バスケットもウマイんやって。
バレーも卓球もテニスもウマイんやって。
私「あ、そう。」
短距離走も速いし、走り幅跳びもようけ跳ぶし、鉄棒もウマイんやって。
私「あ、そうですか。」
家にピアノがあるんやって。
ビリヤードもあるんやってよ。
私(金持ちのぼんぼんやんけ。イライライライラ...… )
えらいモテるんやって。
私(それがどうした...… )
私(それがどうしたどうした...… )
時は流れて中学生。
同じクラスになる事もなく、顔を合わせる事もなく卒業。
丸坊主になっても関係なくモテまくっていたアイツ。
※田舎の中学は強制丸坊主時代
何かするたびにキャーキャー歓声を浴びるアイツ。
坊主でもモテる奴はモテるんやな~。
私「そやろな。」
本当に、興味が無かったのですよ。
だって、接点が何もないんですもん。
でも、何故かまわりの連中は私に「アイツはモテる情報」をブッこんでくるのです。
なんで? なんで?
さらに時は流れ、高校生。
貼り出されたクラス分けの表にはアイツの名前が。
ついに、アイツと同じクラスに。
アイツが私の元へとやってきました。
「かい~の。」
私(へ?)
「かい~の~。」
私(意味わからん。なに?)
私の机のカドにお尻をこすり付けながら
「かい~の~」
私(なに?なに?なに?なに?なに?なに? 寛平やろ?)
これが今も年賀状をやり取りしている数少ない友人のひとり、「アイツ」との最初の出会いです。
小学生の頃から高校生になるまで、一度も話をした事が無かったので気が付きませんでしたが、アイツはただの寛平好きのアホだったのです。
※関西弁の「アホ」は愛情表現です。
どうしても私と一緒に寛平ネタをやりたくて、そのチャンスを虎視眈々と狙っていたのだと。
「同じニオイがしていた」「お前ならやってくれると思っていた」と言われた時は、かなりショックでした。
何年がかりよ。
最上級のアホですよ。
そういえば、彼女もいなかったですね。
顔も良いし、面白いし、スポーツ万能だし、性格も良いのに。
きっと、我慢できずに女の子の前で「寛平」をやったりして、ドン引きされたのでしょう(笑)
彼とは高校3年間同じクラスになりまして、大学では遠く離れてしまい、それから現在に至るまで会う事もなく30年以上が経ちました。
あぁ、そうだ。
年賀状の字までキレイなんですよ。
もう、腹立つ~
こんなパーフェクトヒューマンなのに、まさかの寛平好きだったとはねぇ。
パーフェクトヒューマン。
久しぶりに見ましたが、素晴らしいエンターテインメント性ですね!
再ブレイクして欲しいです!